シカゴ「長い夜」 金野Onnyk吉晃
中学に入り、英語を学んだ。
短波、中波、FMの入る親父のラジオを貰った。
洋楽、ポップスに関心を持ち、英語の歌の内容を知りたい気持ちが強くなった。
ラジオで気に入り、小遣いを溜めて買ったシングル盤は、シカゴ「長い夜」だった。ジャズロック、ブラスロックと言われていた。ジャズもブラスも分からなかった。
LPを聞いて、管楽器の長いソロに魅せられ、記憶した。さらにジャズ色の強いバンドに惹かれた。BS &T、ソフトマシーンという対照的バンド、そしてさらなる刺激を求めてマハヴィシュヌオーケストラ、ウェザーリポートなどに興味は移行。
気がつくと、英詞の意味などどうでもよく、なぜか同じ会社のレコードばかり聞いていた。思えば、マイルスもモンクも、その会社。私にはブルーノートもインパルスも縁がなかった。
そして、ソウルもブルースも知らぬまま、ECMに出会う。同時に、ようやく大資本のレーベルから脱出した。
セシル・テイラーとアンソニー・ブラクストンが、扉を開ければ隣の部屋に居た。
おわり。