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R.I.P. 林 聡No. 320

林聡の情熱の力  今村 源

林さんに一緒に仕事をしませんかと誘われた時のことは今でも忘れられません。版画工房も備え、作品制作にもかかわるユニークなギャラリーオーナーとしてすでに活動を始めていた。このギャラリーにうまく馴染めるのかと煮え切らない私に熱いラブコールをいただいた。感情をストレートに言葉に表す無垢で情熱のこもった話に瞬く間に押し切られ、やりましょうと返答して握手を交わした。その時少し涙ぐんだように喜んでいただいたことが今も目に焼き付いています。あれから20数年、スペースもどんどん広がり、作家も増え、活動の場も広がっていくのだが、よくある商業的成功での拡大路線とは正反対に持ち前の情熱、人間力で展開していく。それ故心配になることも少なからずあったのだが、その熱いスタイルはずっと変わらない。あの前向きな意欲はどこからくるのでしょうか。晩年長く病と闘いながら痩せ細る体とは裏腹に、新たな展開に向け、溢れる発想でジャンルにとらわれず企画を繰り出し、多方面に越境していく。その最中のことだった...どれだけ多くのアーティストがその情熱に背中を押され力をもらったことか。その力は今も私の背中に感じつづけています。林聡の情熱の力は生き生きとつながり、今も続いています。

*写真キャプション
2023年11月「今村源 遅れるものの行方」個展初日、水戸芸術館にて。


今村 源 美術家 

1957年生まれ
1980年代半ばよりにボール紙、発泡スチロール、石膏、針金など軽い素材を用いて制作を開始。それらを含む場の空気、引き出される事柄にも関心を寄せる。近年キノコへの興味や“私”について考える制作を継続中。”連菌術 Over the Ground Under the Ground “伊丹市立美術館,2013年  Shizubi Project 3“わた死としてのキノコ”静岡市美術館, 2023年 遅れるものの行方 水戸芸術館現代美術ギャラリー

 

 

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