SENSES COMPLEX=林聡さんの宇宙 sara(.es)
音楽を聞かせると植物がよくそだつという、音楽を聞かせると水の結晶がさまざまに変化するという。音も音楽も耳で聞くものだが、耳いがいのからだじゅうでも私たちは音を、音楽を聞いている。耳も眼も鼻も手足もたがいにむすばれている。風や波や人の声もまた音楽とむすばれている。私たちの生きるこの宇宙で、ばらばらなものはなにひとつない、すべてはひとつなんだ。耳をすますことでそれがわかってくると思う。
*谷川俊太郎「感性ってなんだ?」、神奈川県立近代美術館葉山の夏のプロフラム「きょうのはやまにみみをすます」2004年のワークブックより部分引用。
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JazzTokyoより林聡さん追悼特集のお話をいただいて、最初に思ったこと。林さん、そして林さんと創ってきたNOMART(ノマル)の核となるコンセプト「SENSES COMPLEX」を人にどう伝えたらいいのかな…思いあぐねていた時に、たまたま目にした谷川俊太郎さんの詩がとても響きました。まさにSENSES COMPLEXはこういうことだと思ったから。
JazzTokyoではこれまでも音楽ユニット.es(ドットエス:橋本孝之&sara)のレビューやインタビューを数多く掲載いただいてきましたが、林聡はノマルという唯一無二のアートの場のディレクターであり、15年前にドットエスを橋本孝之さんと共に作った大切なメンバーであり。その創造と表現の全ては、「SENSES COMPLEX」の感覚共有の中にありました。
▪️チーム・ドットエス(橋本孝之さん+林聡さん+sara)のこと
「ああ、これでタカボン(橋本孝之さん)がおったらなあ」
今年10月のある日、夕食前に林さんが口にした言葉です。
ノマル35周年を迎え、記念企画としてのCD付き詩画集「詩人と美術家とピアニスト」(詩人 建畠晢+17名の美術家+sara)が完成、さらに同タイトルの展覧会開幕間近の日で、私たちの心は弾みまくっていました。
「タカボンが一緒だったら」どんなに喜ぶだろう、楽しいだろうの気持ちで。
橋本孝之さんは音楽仲間としてだけでなく、7年間の東京生活を終え2021年春に帰阪、一緒にノマルを創っていこうとした矢先に急逝。以降、林さんとの会話はいつも「タカボンがいたら」「タカちゃん(私はこう呼んでいた)だったら」。林邸で仲間との会を催す際には、必ずタカボンも写真で参加。私たちはずーっと、一緒でした。
実は橋本孝之さん急逝直後から林さんは人工透析が始まり、それは彼にとってとても辛い時間だったけど、むしろそれ以前より彼の創造力は増していきました。この3年間は、林さんが最も輝いていた時期だったと思います。痛い、だるい、しんどいは常のこと。だからなお、アートも音楽も全ての表現において、創造の化身のようにアイデアを噴出し続け、周りの人々を巻き込み、牽引していきました。
林聡さんと橋本孝之さん。二人とも私にとっては、特別過ぎる人でした。出会いも奇跡のようだと思うし、創造/表現に関して好きなもの、目指すクオリティが瞬時に共感できる人たち。何かを始めたい、創りたい時は「それ、ええなあ!」って説明不要。多少の意見の違いがあってもすぐに理解しあえて実現できるーそれがチーム・ドットエスでした。
二人へ伝えたい気持ちを、ここに残しておきます。
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林聡さんと橋本孝之さん。
二人とも、突き抜けてた。
面白いこと、好きなことを楽しみ尽くした。
好きなモノコトヒトは、もうめっちゃ好きだった。
美しいものが大好きだった。
こだわりが人の何倍も強かった。
人の真似は全く興味なかった。
誰もやってない事をいつも考え続け、生み出し続けた。
人に優しかった。
人を思いやれない人は苦手だった。
誰に対しても愛があった。
沢山の人に愛された。
自分を愛してた。
一緒にいるといつもワクワク、面白過ぎた!
二人とも短かったけど、普通の人の何倍もの濃い濃い人生を生き切った!
ありがとう。感謝してます。本当に面白かったよ。
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林さんと孝之さん。二人が早くに亡くなって、沢山の方から「大丈夫?」とご心配いただきました。お気持ち、感謝してます。残念な気持ちは計り知れませんが、特別な人たちと出会えた幸せ、一緒に創造と表現を楽しめた幸せ、仲良く遊べた幸せ…さらには。意志を継いでというよりは、同じ熱量で一緒に創ってきたのですから、これからも私は変わらずに、宇宙支局(!)の二人の声を感じながら、ノマルもドットエスもワクワク弾んで続けます。
ここで思い出しました。林さんと何かを決める時「弾むか弾まないか」は重要でした。「これなら弾む」「これは弾まんねぇ」。アホみたいに聞こえるかもしれませんが、迷ったら弾む方、これは間違いないのです。橋本孝之さん旅立ち後、ノマルの私の席の前には「いいね!」ポーズの大きなタカちゃん(孝之さん)写真。Soloドットエスとしての活動は、きっと彼もいいね!俺もリアルでやりたかったわ!と思ってくれてるはず。そのとなりに、首をちょっと傾げて笑う林さん写真も。それ、いいね!弾むね!なことを、笑顔でやっていきますね。
*2021年にJazzTokyoで公開された「.es(橋本孝之&sara)+林聡インタビュー:アートと音楽の未来へ向けて」では、チームとしてのドットエスの歩みを紐解いていただけるのではないかと思います。(text by 剛田武 Takeshi Goda)
Interview #214 .es(橋本孝之&sara)+林聡インタビュー:アートと音楽の未来へ向けて
▪️SENSES COMPLEXの話
ノマル、林聡、ドットエスーその根底を流れる「SENSES COMPLEX」。ノマルのテーマとして、HPのトップページにも次の言葉を掲載しています。
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SENSES COMPLEX
五感を超えて、感覚が交差・拡散する地点。
“創造とは、すべての感覚が関連しあっている”
その基本から、アート、サウンド、デザインを軸に
独自のもの創りを追求ーそれがNOMART(ノマル)です。
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2年前の2022年11月、林さんがFacebookに下記の言葉を投稿しました。
「ノマルのコンセプトワードはSENSES COMPLEX。全ての感覚は混じり合う。アートも音楽も文学も、我々の領域だ。いずれは料理も?
面白いことがどんどん始まっていく。Let’s join us !!! 」
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ノマルは、美術に限らず様々な領域のアーティストとの「共創」が特徴の場。35年の間に、版画工房、デザインスタジオ、ギャラリー、実験音楽工房と有機的に拡がっていき「ノマルは色んなことをやってますね」とよく言われます。多機能な会社?林さんとよく話していたのは「色々やってるんじゃなくて、みんな同じやねんけどな」でした。
アウトプットが美術作品だったり、音楽だったり、本だったりするだけで、すべてはひとつ。
35周年記念の詩画集と展覧会「詩人と美術家とピアニスト」は、まさにSENSES COMPLEXのノマルの集大成です。詩人・建畠晢さんの17篇の詩をイメージソースに、17名の美術作家が作品を制作。さらに建畠さんのポエトリー・リーディングとsara(.es)のピアノとの共演CDをセット、全体で一つの世界。
なぜか林さん、20年ぶりくらいに自らデザインしました。「これは俺がデザインするわ。二人で創ろうや」と(実際には全スタッフが校正に関わってくれて皆で創りあげました)。
ちなみにこの詩画集、ページによって字詰め、文字の大きさが違います。「普通のデザイナーならこんなことやらんやろけどな、これがええねん」。全てが林さん流の、愛すべき本になりました。
今にしてみればですが、こんな風にこれからも弾んでや、と宝物を贈ってくれたんだと思います。
詩画集「詩人と美術家とピアニスト」は35周年記念ですが、5年前の2019年ノマル30周年記念にも「アートの奇跡」という本を出版しました。30年間にノマルが出版してきた作品、開催してきた展覧会やプロジェクトをまとめたアーカイブと、共創のノマルが生き生きと感じられる、作家とのコラボレーション写真。そして、林さん自身の考えを7章に分けて紹介し、7名のアーティストがそれを受けて寄稿してくれました。
「アートの奇跡」の中にある、「SENSES COMPLEXー感覚の海」の章で林さんが書いた文章を一部紹介したいと思います。
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あらゆる表現行為は、様々なジャンルやカテゴリーに便宜上、分けられている。視覚、聴覚なども一般的には五感などに分類される。私自身は、幼いころからごく自然に、この世界はカテゴリーが曖昧なもの同士が、全て曖昧に重なり合っているように感じていた。全ての表現もまた、それらの総合的な場に位置している。そんな曖昧な領域にこそ、魅力を感じるのだ。(林聡)
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SENSES COMPLEXーその感覚領域はノマルの、林さんの、そして私の生きる力。何があっても折れないエネエルギーは、そこから溢れ出ています。強い力、ということでもなくて、もっとやわらかな、ふわふわとした、とても心地よい波長。日常とその延長線上にある、キラキラとしたエネルギーは、絶えることがありません。
*「詩人と美術家とピアニスト」JazzTokyoレビュー(text by 剛田武 Takeshi Goda)
Review CD/DVD Disks #2355 『建畠晢×17人の美術家×sara(.es) / 詩人と美術家とピアニスト』
*Nomart Store「詩人と美術家とピアニスト」
*Nomart Store「アートの奇跡」
▪️アートは夢
林さんは、幸せとか、夢とか、愛とか、そんな言葉を普通に口にする人でした。人に「語る」というのはしないし、得意でもない。思っていることを自然に、構えず、口にします。
よく「ガラスのおっさんやねん」と笑ってましたが、豪快なように見えてとても繊細な人でした。「俺、ほんまは気が弱いねん」「知ってるよ、そこがええねん。気が細やかやから、人が気づかないようなこと思いついたり見えたりするんやと思う」。そんな会話を交わしたのも、つい最近のことでした。
先述の30周年記念本「アートの奇跡」表紙に、林さんの言葉があります。「人はアートがなくても生きられるが、活きるためにはアートが必要である」。
「アートの奇跡」本文頁での、林さんの文章をさらにご紹介させていただきます。
アートという主語を、色々に置き換えて読んでいただければと思います。
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アートは、夢である。
アートとは、私にとって奇跡のような出来事であり、作品こそが贈り物だと思う。
アート自体、そしてそこに起こる様々な出会いも奇跡のようなことである。それは今までも起こっていたことでこれからも変わらず続いて行くだろう。そこに関わっていけることこそを幸せに思い、大切にしたい。
妥協なく、心身を削って突き詰めるのだ。
それが表現にはなるが、それでもまだ、奇跡は起こらない。
だけどそこからこそ、あなたや私たちにとっての奇跡、社会にとっての奇跡、時代の奇跡が生まれていく。
アートは、それ自体が奇跡のような出来事である。
「人はアートがなくても生きられるが、
活きるためにはアートが必要である。」
30年目(2019年)の元旦に、記した言葉。30年分の奇跡と、これからの奇跡をー。(林聡)
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林さんのアートの夢は、これからも、ノマルから。
*林聡の基本的な考え方については、「アートの奇跡」の彼のテキスト部分のみを抜粋したページをご覧いただければ幸いです。
https://www.nomart.co.jp/satoshihayashi/
▪️クオリティ・オブ・ライフ(林さんの日常)
2021年に透析が始まってから林さんがさらに輝きを増したことは先に書きましたが、特に今年に入って「俺のテーマはクオリティ・オブ・ライフやねん」とよく口にするようになりました。
元々好きなモノ、コトが多い人ですが、自宅やノマルの断捨離、リフォーム、食生活の向上(毎晩の豪華な自炊!)、オーディオ・ビルドと目を見張るばかり。本当に凄かった!
ノマル・スタッフも仲間たちも、林さんの描く公私における「クオリティ・オブ・ライフ」実現のために今年はたくさん動きました。心身の弱りで自暴自棄だった昔とは別人、どころか。神領域の日常だった、ノマル35周年&還暦での旅立ち。最高の林聡を、林さんは創りあげて見せてくれました。
下記は、林さん旅立ち後に書いた私のメモです。林さんの日常や人となりを、感じていただけると嬉しいです。
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ノマル・ディレクター林聡さんのこと。
笑顔、人柄、アイデア、言葉力、
求心力、説得力、応援力
全てにおいて突出。
誰に習うでなし全て独学で早くからデジタル世界に精通。林さんが創出したプログラムによるアート作品も多々。
香りに凝った時代もあった。
2014年ノマル25周年の時に開催した、林さん設計開発のサウンドシステムの展覧会「FACTORY HOUSE」では、フレグランスも販売したのですが、その調合も林さん。
「感覚は全てが混ざり合っている」との考えから、音を聴く空間に漂わせる香りを創りたい、と精油を沢山入手。その香りを入れるボトルとラッピングは私がお手伝い。いい香りだったけどレシピを聞くと「それは内緒」って何でやったんかな?
料理も好きで、手作りのパン、クッキー、スモーク、カレー、色々食べさせてもらいました。
最近はいかに肉を美味しく焼くか食べるかがテーマで、素材もネットで選りすぐり懲りまくり。
音楽はもちろん。
中学~大学時代はバンド、ギタマン部のコンダクターでもあり、ロドリーゴに褒められたらしいけど、記録のレコードには執着無し。
こうしてちょっと思い出すだけで何者?感が募ります。
ノマルのテーマ「SENSES COMPLEX」はまさに林さん。
深いところで全てを感じて、次から次に面白いことを繋ぐ、遊びの天才でした。
ずっと一緒にいたから、天才ぶりが日常過ぎて、特別ではなく普通になってしまってた。
それだけ出来ても
語るでなし、相手が誰であろうが接し方はまるで変わらない。そこも一貫してました。
能力よりも何よりも突出していたのは、愛、でした。
愛の大きさ、深さ、計り知れない。
真似出来ないことだらけだけど、林さんのように、
人を愛して自分を愛する人にはなりたいと思う今です。(sara)
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ここに加えると、林さんは孤高で難しい天才ではなくて、丸裸だった人。ミーティング中でも気にせずぷうとオナラをするし、寝癖を指摘しても「パンクや!」と気にしない。でもファッションには鋭くて、オシャレな人は「センスええなあ」と後から褒める(本人には言わない笑)。
ノマルへ誰かがお菓子を持ってきてくれると、一番最初に一番美味しそうなのをヒョイとつまむ。人を喜ばせるのが大好きで、家に集う時には皆んなが喜びそうなものを、誰かの誕生日となると絶対に喜びそうなものを必死でネット検索。
アイデアを人に話して、すぐに理解が得られなかったら「何でかな、こんなにオモロいのに…」と後でポツリ。
エピソードは山盛りですが、こんなに愛らしいオッサンを、私は他に知りません。
▪️林さんが創りたかった音
2014年のノマル25周年企画で開催した林さん手作りのサウンドシステム「FACTORY HOUSE」展制作以降も、林さんの飽くなき探究心は自宅で脈々と続いていました。
新たなスピーカー、アンプ、役割が分からない色んな機器も制作途中でしたが、俺の求める最終形がほぼ完成しそう、と言ってました。
制作はだいたい深夜、翌朝嬉しそうに「凄いの出来た」と説明してくれるのですが、機材の話はさっぱり分からなかったです。
誰なら理解できる?って聞いたら誰も分からんと思う、って話し相手いないの寂しそうだった…。
この追悼特集のトップで使っていただいている画像は、今年8月に林さんが自宅のオーディオシステムをFacebookで紹介するために撮影した写真です。
その日の林さんの投稿を引用させていただきます。
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クリプトン製密閉型スピーカーセッティング完了しました。逸品館のオーディオボード、クリプトンのインシュレーターも設置。出音!まさしく求めていた音。演奏が混じり合ったハーモニーとしてではなく、個々の音として表現されてそれが空間の中で混じり合う感じだ。ガムランの複雑な楽器構成、リズムがきちんと聴こえる。バッハの多声もそれぞれの音列が聴こえる。現代音楽のオーケストラもなんと楽しいか。パーカッションはピンと張った太鼓の皮の振動が伝わる。ボーカルの高音に濁りがないので、きつい音でも美しく聴ける。JBLでもTannoyでもDaliでもB&Wでもない、僕にとってはまったく新しい音。低音も、これも密閉型のサブウーファーで不足無し。日常使いのミニシステムとしてはスピーカーはもう一生これでいいという感じです。メーカーは、バイワイアリングを推奨しており、これによって一段とグレードが上がると謳ってます。僕もこれは採用しないわけにはいかない。早速ワイヤーを発注しました。アンプはSoulnoteなのでアンプスピーカー共に日本製になりました。エイジングが楽しみです。(林聡)
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一生これでいい、と書いていますが、さらにそれ以降「思いついてしもた」と新たなスピーカー、木材、部品を発注。旅立ち後にもインシュレーターが届きました…。林さんが求めていた音はどんな世界だったのでしょうか?それは聴かせてもらえないままに。
▪️From Fukaebashi to Outer Space(深江橋から宇宙へ)
「死は次の生の扉」
これは林さんが好きな言葉の一つでしたが、そうだよね、と思います(宗教等ではありません)。
声が聞けないこと、一緒に食べられないこと、リアルな日常がなくなったのは寂しいですけど、林さんは別の存在となっただけ。
輪廻転生で成長する魂を描くトム・ハンクス出演の映画「クラウドアトラス」は林さん大推薦。3時間位の長編で、私は林さんに勧められて寝ながら一回見ただけ…林さんは何度も見たそう。
「俺は手塚治虫の『火の鳥』で宇宙の意識を知ったんや」と言ってたし、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」も愛読書。文中「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなのさいわいのためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」は特にお気に入り。
「みんなのさいわいのためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない」は昔から時々口にするので、その都度「みんなの幸いを思うなら自分なんか、って言ったらあかんよ」と突っ込んできた。
今になって気づいたのですが、
「僕のからだなんか」であって、僕なんか、とは言ってない…!
林さんの体は灼かれました。
みんなの幸いのために生き通した、愛の人。
次の生の扉の前に、もう立っていることでしょう。
林聡さん、橋本孝之さん、その他ごく近しい友人たちに共通することがあります。
死生観や宇宙的な意識についての感覚がとても近い。世界の見え方も違うのです。トンデモに思われそうな領域の話も、そうだよね、です。
寂しいけれど、寂しくはないのです。だって、存在は消えてなくならないから。
この特集でも寄稿されている彫刻家の植松奎二さんがノマルのことを「みんなで作ってきた『感覚共同体』」と言ってくれました。まさにそうだ。林さんの意識や感覚は、すでにここに集う皆んなに共有されているし、林さんと一緒に35年近くノマルを創ってきた私も、その一部です。
これからもノマルは、ドットエスは、ここで、領域を超えたアーティストたちと共鳴しながら育っていきます。大きな宇宙と繋がりながらーどうぞよろしくお願いします。
Let’s join us!!!
最後にもう一度、冒頭の谷川俊太郎さんの詩より
私たちの生きるこの宇宙で、ばらばらなものはなにひとつない、すべてはひとつなんだ。
ノマル35周年記念企画2
「All Stars – RESONANCE」11/30(土)開幕
2024.11.30(sat) – 2024.12.21(sat)
https://www.nomart.co.jp/exhibition/detail.php?exhCode=0215
2024年11月25日 sara(.es)
sara (.es) – サラ・ドットエス piano, percussion
2009年「Gallery Nomart (ギャラリーノマル) 」をホームに橋本孝之 (alto sax, guitar, harmonica) 、アート・ディレクター林聡と共に.es (ドットエス) 結成。領域を縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放つ。 “音”と“音楽”の間 (ま) で交錯する感覚を表現。2022年秋、宇都宮泰との出会いを機に「Utsunomia MIX」プロジェクトを始動。 2021年5月橋本孝之永眠、2024年11月林聡永眠後も「音に限定しない表現」「アートへ向かう」という意志を「.es」名で承継。さらに表現領域を交差させた水路を拓く。
Nomart
https://www.nomart.co.jp/
.es
https://www.nomart.co.jp/dotes/
Utsunomia MIX
https://www.nomart.co.jp/utsunomiamix/