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My Pick 2024このパフォーマンス2024(海外編)No. 321

#05 MARISA ABELA:映画「Back to Black」 三田晴夫

エイミー・ワインハウスの劇映画での主役マリサ・アベラの劇中の歌唱が素晴らしい。

7-8年前に公開されたドキュメンタリー映画「AMY」と異なり、こちらは役者が演じる劇映画。その主役のマリサ・アベラが視覚的にも顔や仕草もよく似せているが、何と言っても吹き替えなしで自身が歌ったその声・歌唱力に脱帽。
数年前にビリー・ホリデイの劇映画「ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ」での主役アンドラ・デイのビリーそっくりの歌にも驚いたが、こちらは元々歌手(逆に演技の素晴らしさにも感動したが)。

マリサはこの映画のために4ヶ月半を掛けて歌の特訓をしたらしいが、特訓すればこんなにあたかもエイミー本人の様にあれ程の歌唱力・説得力で歌えるものだろうか。音楽制作に携わっている者として、信じ難く驚嘆するばかりだ。
その歌声を再度聴きたくてオリジナル・サウンドトラックを聴いてみたが、そこにはマリサの名はなく、エイミーの唄部分は全てエイミーのオリジナル音源に差し替えられている。いろいろと事情があるのだろうが、これは残念。

一瞬、もしやマリサが歌ったのは序盤のデビュー前に部屋でギターを弾き語りしている辺りのごく一部だったのかと訝ったが、いや、エンドロールでは確かにパフォーマーとしてマリサがクレジットされていたし(ロールが速くて全曲を確認できた訳ではないが)、パンフレットにはサム・テイラー=ジョンソン監督がマリサに実際に歌うように指示したと記されている。

映画の中ではあるが、このマリサの歌唱をベスト・パフォーマンスに選びたい。


三田晴夫(みた・はるお)

ジャズのマネージメント事務所(有)ジャムライスを経て、1985年にCM音楽を中心にした音楽制作会社(有)スーパーボーイを設立(旧社名(有)四宝)2009年にレコードレーベルTEOREMA、翌年にJUMP WORLDを立ち上げ、自らプロデューサーとしてジャズを中心にするも民謡からJ-POPまで幅広く制作している。
主な作品としては、2017年のteaのデビューアルバム「INTERSTELLAR 」がミュージック・ペンクラブの新人賞、2020年の宮本貴奈の「Wonderful World 」が同賞の最優秀作品賞を受賞。最新作は2024年1月10日リリースのクリヤ・マコト/安井源之新 RHYTHMATRIXの「BRIGHTNESS」。
www.superboy.co.jp

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