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My Pick 2024このディスク2024(国内編)No. 321

#12 『土取利行 & エリック・マリア・クチュリエ/異響同塵〜Different echoes in the same dust〜』 横井一江

立光学舎レーベル R-23

土取利行 Toshi Tsuchitori(サヌカイト)
エリック・マリア・クチュリエ Eric-Maria Couturier(チェロ)

Improvisation 1
Improvisation 2
Improvisation 3
Improvisation 4
Improvisation 5
Improvisation 6
Improvisation 7
Improvisation 8
Improvisation 9

Recorded from Live concert at Kyoto concert hall on April 17, 2024
Recorded by Fumihiro Itani
Jacket design by Sachiko Ogura
Concert produced by S. S. C Hakusui Oshika


京都コンサートホールで行われた土取利行のサヌカイトと現代音楽ではトップチェリストとして知られるエリック・マリア・クチュリエによる「異響同塵  古代石サヌカイトとチェロ  異次元コンサート」と題した公演を収録したアルバム。本作を手に取った時に、その公演が素晴らしかったと友人に聞かされ、行けなかったことを悔しく思ったことが記憶から蘇ってきた。今、それをCDで聴けること、その音空間をスピーカーを通してだが体感することが出来るしあわせを感じている。

土取はこれまでもサヌカイトを演奏、CD制作もしてきたが、他の楽器との共演は本盤に収録されている今回が初めてだ。このアルバムは周囲が静かな時間に聴くのがいい。異響同塵という言葉が音楽と共鳴する。ジャケットの写真を眺めながらここ(東京)ではないところに居るような錯覚を覚えつつ、その響きに浸っていた。これまでのサヌカイト演奏とは異なり、縄文から現代まで時空を超越した音空間を創出した稀有な時間で、まさにタイトルが示すとおり「異響同塵」。その世界を体感出来るCDとなっている。

横井一江

横井一江 Kazue Yokoi 北海道帯広市生まれ。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。ドイツ年協賛企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、横浜開港150周年企画『横浜発-鏡像』(2009年)、A.v.シュリッペンバッハ・トリオ2018年日本ツアー招聘などにも携わる。フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年~2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)、共著に『音と耳から考える』(アルテスパブリッシング)他。メールス ・フェスティヴァル第50回記。本『(Re) Visiting Moers Festival』(Moers Kultur GmbH, 2021)にも寄稿。The Jazz Journalist Association会員。趣味は料理。当誌「副編集長」。 http://kazueyokoi.exblog.jp/

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