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My Pick 2024このパフォーマンス2024(海外編)No. 321

#11 Andrea Centazzo、 纐纈之雅代、藤原清登「宇宙の仙川」 横井一江

2024年11月8日 @第17回 JAZZ ART せんがわ

『宇宙の仙川』
アンドレア・チェンタッツォ Andrea Centazzo (perc, etc)
纐纈之雅代 (sax)
藤原清登 (double bass, etc)


Reflection of Music Vol.100 JAZZ ART せんがわ 2024 (→リンク)より抜粋

夜のステージは10年ぶりに来日したアンドレア・チェンタッツォ Andrea Centazzo (ds)(→関連記事)、 纐纈之雅代 (sax)、藤原清登 (b) 。イタリア生まれのチェンタッツォ だが、ドラムス/パーカッションをピエール・ファーヴルに師事しており、そこから独自の奏法を編み出した。1970年代の終わりからニューヨークのダウンタウン・シーンで後に知られていく当時の若手ミュージシャンと交流、1980年代には自身のIctus Recordsを設立している。マルチメディア・アーティスト、作曲家としての活動のみに専念していた時期もあるが、1990年代の終わりからは演奏活動も再開している。時にコンピュータも用いて繊細で緻密にサウンドを繰り出すチェンタッツォ、藤原のベースは一張一弛、巧みに音世界に変化をもたらし。纐纈も自身で開拓した奏法を駆使しながら切り込み、音響空間が形成される。完全即興だったが、時間いっぱい途切れなく演奏するのではなく、その流れが止まったところで途中演奏を切ったことから複数のパートに分かれた作品のように聴こえた。『宇宙の仙川』というキャプションはチェンタッツォの近年のマルチメディア・プロジェクトを踏まえて付けられたのだろう。果たして、実際に3者の音楽性が相間見え、織り成されて会場に谺したサウンドはまさに「宇宙の仙川」、 稀に見る秀逸なコラボレーションだった。

photo by Kazue Yokoi

横井一江

横井一江 Kazue Yokoi 北海道帯広市生まれ。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。ドイツ年協賛企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、横浜開港150周年企画『横浜発-鏡像』(2009年)、A.v.シュリッペンバッハ・トリオ2018年日本ツアー招聘などにも携わる。フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年~2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)、共著に『音と耳から考える』(アルテスパブリッシング)他。メールス ・フェスティヴァル第50回記。本『(Re) Visiting Moers Festival』(Moers Kultur GmbH, 2021)にも寄稿。The Jazz Journalist Association会員。趣味は料理。当誌「副編集長」。 http://kazueyokoi.exblog.jp/

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