#11 Andrea Centazzo、 纐纈之雅代、藤原清登「宇宙の仙川」 横井一江
2024年11月8日 @第17回 JAZZ ART せんがわ
『宇宙の仙川』
アンドレア・チェンタッツォ Andrea Centazzo (perc, etc)
纐纈之雅代 (sax)
藤原清登 (double bass, etc)
Reflection of Music Vol.100 JAZZ ART せんがわ 2024 (→リンク)より抜粋
夜のステージは10年ぶりに来日したアンドレア・チェンタッツォ Andrea Centazzo (ds)(→関連記事)、 纐纈之雅代 (sax)、藤原清登 (b) 。イタリア生まれのチェンタッツォ だが、ドラムス/パーカッションをピエール・ファーヴルに師事しており、そこから独自の奏法を編み出した。1970年代の終わりからニューヨークのダウンタウン・シーンで後に知られていく当時の若手ミュージシャンと交流、1980年代には自身のIctus Recordsを設立している。マルチメディア・アーティスト、作曲家としての活動のみに専念していた時期もあるが、1990年代の終わりからは演奏活動も再開している。時にコンピュータも用いて繊細で緻密にサウンドを繰り出すチェンタッツォ、藤原のベースは一張一弛、巧みに音世界に変化をもたらし。纐纈も自身で開拓した奏法を駆使しながら切り込み、音響空間が形成される。完全即興だったが、時間いっぱい途切れなく演奏するのではなく、その流れが止まったところで途中演奏を切ったことから複数のパートに分かれた作品のように聴こえた。『宇宙の仙川』というキャプションはチェンタッツォの近年のマルチメディア・プロジェクトを踏まえて付けられたのだろう。果たして、実際に3者の音楽性が相間見え、織り成されて会場に谺したサウンドはまさに「宇宙の仙川」、 稀に見る秀逸なコラボレーションだった。
photo by Kazue Yokoi
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