#13 本藤美咲、すずえり、坂本弘道「音の十字路 Part3」 横井一江
2024年1月14日 @第16回 JAZZ ART せんがわ
「音の十字路 Part3」
本藤美咲 (Baritone saxophone, etc)
すずえり (自作装置, etc)
坂本弘道 (cello, etc)
第16回 JAZZ ART せんがわでは、坂本弘道がキュレートした「音の十字路 」と題した3つのステージがプログラムされていた。その Part3 は、本藤美咲、すずえり、そして坂本弘道のステージだった。まず、すずえりのエレクトロニクス・ソロから入り、本藤もまたエレクトロニクス、サックスを非楽音で鳴らす。微細なサウンドによる即興演奏。やがて坂本も入り、すずえりは自作装置でサウンドをビジュアルに変換し、さらにそこからサウンドに戻すということを始める。それに呼応して本藤や坂本が演奏。サウンドインスタレーションと即興演奏が一体化して聴覚を拓き、視覚的にも光と影の動きが目を捉え、それらが知覚の中で相互作用を起こす。坂本の鉛筆や日めくりカレンダーの紙を投げるパフォーマンスもまた効果的に作用していた。音楽というジャンルで捉えられる即興パフォーマンス、そして美術におけるインスタレーションの境界線に立つ、なかなか面白いステージだった。このようなプログラムに出会えることも JAZZ ART せんがわに行く楽しみなのである。
photo by Kazue Yokoi