JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 172 回

My Pick 2024このパフォーマンス2024(国内編)No. 321

#13 本藤美咲、すずえり、坂本弘道「音の十字路 Part3」 横井一江

2024年1月14日 @第16回 JAZZ ART せんがわ

「音の十字路 Part3」
本藤美咲 (Baritone saxophone, etc)
すずえり (自作装置, etc)
坂本弘道 (cello, etc)


第16回 JAZZ ART せんがわでは、坂本弘道がキュレートした「音の十字路 」と題した3つのステージがプログラムされていた。その Part3 は、本藤美咲、すずえり、そして坂本弘道のステージだった。まず、すずえりのエレクトロニクス・ソロから入り、本藤もまたエレクトロニクス、サックスを非楽音で鳴らす。微細なサウンドによる即興演奏。やがて坂本も入り、すずえりは自作装置でサウンドをビジュアルに変換し、さらにそこからサウンドに戻すということを始める。それに呼応して本藤や坂本が演奏。サウンドインスタレーションと即興演奏が一体化して聴覚を拓き、視覚的にも光と影の動きが目を捉え、それらが知覚の中で相互作用を起こす。坂本の鉛筆や日めくりカレンダーの紙を投げるパフォーマンスもまた効果的に作用していた。音楽というジャンルで捉えられる即興パフォーマンス、そして美術におけるインスタレーションの境界線に立つ、なかなか面白いステージだった。このようなプログラムに出会えることも JAZZ ART せんがわに行く楽しみなのである。

photo by Kazue Yokoi

 

横井一江

横井一江 Kazue Yokoi 北海道帯広市生まれ。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。ドイツ年協賛企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、横浜開港150周年企画『横浜発-鏡像』(2009年)、A.v.シュリッペンバッハ・トリオ2018年日本ツアー招聘などにも携わる。フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年~2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)、共著に『音と耳から考える』(アルテスパブリッシング)他。メールス ・フェスティヴァル第50回記。本『(Re) Visiting Moers Festival』(Moers Kultur GmbH, 2021)にも寄稿。The Jazz Journalist Association会員。趣味は料理。当誌「副編集長」。 http://kazueyokoi.exblog.jp/

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください