11/07 トーマス・モーガン 初のソロ・アルバムをリリース
WOODSを援用した『Around You Is a Forest』
現在のジャズシーンにおいて20年以上にわたり、静かだが極めて重要な存在感を放ってきたベーシストのトーマス・モーガンが満を持してソロ・アルバムをリリースする。『Around You Is a Forst』というタイトルを持つこのアルバムは、今までほとんど知られていなかったモーガンの他の芸術性の一面、すなわち、コンピューター、プログラミング、そして「ハッカー文化」(もともと、「ハッカー」とは、創造的で遊び心に溢れたコンピュータ・プログラマーを指す)との生涯にわたる関わり、を明らかにしている。
つまり、モーガンが SuperCollider (リアルタイム音声合成とアルゴリズム作曲法のためのオープンソース・ソフトウェア環境)で設計した仮想弦楽器「WOODS」を中心に構成されている。⻄アフリカのルート・ハープ、アジアの琴、ハンガリーのチンバロム、マリンバなど、弾いたり、打ったりする打ったりする弦楽器の音色を想起させる WOODSとリアル・ミュージシャンとの共演だ。
各トラックで WOODSとデュエットで共演する現代を代表する独創的なミュージシャンたちは、ダン・ワイス(タブラ)、クレイグ・テイボーン(キーボード、フィールドレコーディング)、ジェラルド・クリーヴァー(ドラム)、ヘンリー・スレッギル(フルート)、アンブローズ・アキンムシーレ(トランペット)、ビル・フリゼール(ギター)、イマヌエル・ウィルキンス(アルトサックス)、そして詩人ゲイリー・スナイダー(声)。
アルバムのタイトル『Around You Is a Forest』は、初期のコンピューター・テキストゲーム『Adventure』と、芸術家同士のつながりを象徴するメタファーから来ている。「森とは張り巡らされた根を通じて栄養や情報が共有される場所である」とモーガンは語る。「その意味で、このアルバムに参加したミュージシャンたちは私に教えを与え、私を養ってくれる木々の一部なのだ。」
発売は、ヤコブ・ブロが主宰する Loveland Music。日本のディストリビュータはDisk Union。
なお、トーマス・モーガンは今年12月に単独の来日ソロ・ツアーを予定(別掲)している。
