ECMからスティーヴ・ティベッツとスコフィールド&ホランドの新作リリース
ECMから珍しくセルフ・プロデュースの2作がリリースされる。米ミネソタ州在住のギタリスト、スティーヴ・ティベッツのECM11作目とジョン・スコフィールドgとデイヴ・ホランドdbの初デュオ作。
『Steve Tibbets / Close』(ECM2858) CD
米ミネソタ州出身のギタリスト、スティーヴ・ティベッツのECM11作目。ECMではプロデューサー、マンフレート・アイヒャーの手を離れてセルフ・プロデュースを許された数少ないアーチストのひとり。きらめく星空を背景に照らされた、放置されたブランコを描いた印象的なカバー写真は、『Close』の音楽を視覚的にも印象的に表現している。「音楽は黄昏(たそがれ)時の言語だ」とスティーヴ・ティベッツは断言する。「影を音に翻訳するのが仕事だ」。幾重にも重なるループ、ドローン、そしてダークに響くパーカッションに乗せて、切望に満ちた即興メロディーをゆっくりと展開させていく。ディストーションのかかったエレキギターやきらめく12弦アコースティックギターといったサウンドカラーが本作を西洋音楽たらしめているとするならば、その緩やかで催眠術のような展開は、東洋との類似性を示唆している。 「私は今もスルタン・カーンの感動的な音色を追い求めている」とティベッツは、長年にわたりその演奏から大きな影響を受けてきた故インドのサーランギー奏者について語る。
『Steve Tibbetts / Close』
Steve Tibbetts: guitar, percussion, piano
Marc Anderson: percussion, gongs, handpan, loops
J.T. Bates: drums, engineering
『John Scofield&Dave Holland/ Memories of Home』(ECM2860) CD/LP
ジョン・スコフィールドとデイヴ・ホランドによる初のデュオ・アルバム『メモリーズ・オブ・ホーム』がCDとアナログレコードでリリース。ジョン・スコフィールドgとデイヴ・ホランドdbは、現代ジャズ界の巨匠として長年にわたり共演の歴史がある。例えば、ハービー・ハンコックやジョー・ヘンダーソンとのプロジェクト、そしてジョー・ロヴァーノとアル・フォスターとの精力的な共同リーダーバンドなど。昨年、精力的なツアー活動を経てニューヨーク州キャッツキルのNRSスタジオで2024年8月制作された本作は、すでにタイムズ紙の2025年ベスト・ジャズ・アルバムの1枚に選ばれている。レパートリーは両者のオリジナル。
『John Scofield&Dave Holland/ Memories of Home』
John Scofield: guitar
Dave Holland: double bass
https://www.youtube.com/shorts/2dM_1wqs9mE
デイヴ・ホランド, ジョン・スコフィールド, スティーヴ・ティベッツ

