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4/07プロデューサー ハル・ウィルナー逝く。続くジャズ界のCovid-19犠牲者

音楽プロデューサーのハル・ウィルナーが4月7日、Covid-19に倒れた。ハルは、1956年4月5日、フィラデルフィア生まれ。享年64。アメリカではTVの人気番組「サタデイ・ナイト・ライヴ」のスタッフ・プロデューサーとして知られているようだが、音楽界では80年代に発表した一連のトリビュート・アルバムのプロデューサーとして評価が高い。1981年に発表した第1作『Amarcord Nino Rota: Interpretations of Nino Rota’s Music From the Films of Federico Fellini』(Hannival) は、フェデリコ・フェリーニ監督に提供したニーノ・ロータの楽曲の録音に大胆な人選を駆使、大きな話題となった。なかでも、〈81/2〉のカーラ・ブレイ・バンド、〈Notturno〉のシカゴAACMを中心としたムーハル・リチャード・エイブラムス・ユニットやスティーヴ・レイシー、ビル・フリゼール、マルサリス兄弟などの参加が大きな注目を集めた。続く『セロニアス・モンクに捧ぐ/That’s The Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk』(1984)、『星空に迷い込んだ男 – クルト・ワイルの世界/Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill』(1985)、『眠らないで – 不朽のディズニー名作映画音楽』 – Stay Awake: Interpretations of Vintage Disney Films』(1988)、『メディテイションズ・オン・ミンガス – ナイトメア』 – Weird Nightmare: Meditations on Mingus』(1992)まで、ドクター・ジョン、ジョン・ゾーン、カーラ・ブレイ、エルヴィス・コステロ、フィル・ウッズ、スザンヌ・ヴェガ、チャーリー・ヘイデン、サン・ラ、リンゴ・スター、ニック・ケイヴ、トッド・ラングレン等ジャンルを横断する演奏者を起用、プロデューサーとしての手腕を遺憾なく発揮した。

ハル・ウィルナーに先立つ犠牲者は、マイク・ロンゴ (3/22。ピアノ。享年83)、マヌ・ディバンゴ(3/24。サックス。享年86)、ウォレス・ルーニー(3/31。トランペッター。享年59)、エリス・マルサリス(4/01。ピアノ。享年85)、ジャッキー・ピザレリ(4/01。ギター。享年94) 、オナージ(オナエ)・アラン・ガムス(4/06。ピアノ。享年70)が尊い命を落としている。とくに、ウォレス・ルーニーは今後のジャズ・シーンを牽引していくべき59歳の若さで早過ぎる逝去が惜しまれる。なお、オナージは他の疾患との合併症とみらている。
また、日本で人気の高いジャズ・ヴォーカリスト、ヘレン・メリルの愛息でロック・ミュージシャンのアラン・メリルが3月29日Covid-19により69歳で他界している。

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