[TV] 4/23 「上を向いて歩こう」全米No.1の衝撃〜大友良英の解説
Text by Hideo Kanno 神野秀雄
アナザーストーリーズ 運命の分岐点
「“上を向いて歩こう”全米NO1の衝撃」
2020年4月23日(木) 08:00-09:00 NHK-BSP
坂本九が歌う<上を向いて歩こう>は、日本語歌詞のままアメリカで大ヒットし、1963年6月15日から3週にわたり「ビルボード」誌でシングル1位を獲得、年間13位となった。ジャズピアニスト/作曲家の中村八大が、1961年7月21日にサンケイホールで行われた中村八大リサイタルのための1曲として、永六輔の歌詞で作曲したものだった。
アメリカで改題し発売された<Sukiyaki>が、なぜアメリカ人の心を掴み、世界の人の心を掴むことができたのか?前にも後にも日本の音楽がビルボード10位以内に入ったことはない。
カリフォルニア州の小さな町からの広がり、そして日系アメリカ人に与えた影響。
1980年に<Sukiyaki>をオリジナルの英語詞でカヴァーし、1981年6月にビルボード誌3位となった、テイスト・オブ・ハニー(A Taste of Honey)のストーリー。
『あまちゃん』や『いだてん』の音楽担当でも知られるギタリスト/ターンテーブル奏者/作編曲家/プロデューサーの大友良英が<上を向いて歩こう>の楽曲の構造と魅力を、リズムや時代背景を交えて語る。なお、大友は1985年頃、高円寺に住んでいたジョン・ゾーンと交流していた中で、ジョンは歌謡曲にも関心を持ち、坂本九の曲も分析し魅力を語っていたという。(『ぼくらにはこんな友達がいた、あんなことがあった』後編より)
日本では音楽は圧倒的に輸入超過で、マーケットが閉じ、内外の交流が少なく、世界に日本発の音楽がインパクトを与えていない問題があり、文化の他、戦略、政策的な側面もある。また、世界に通用する日本発のスタンダードも育ち難い。その中で、<上を向いて歩こう>とは何だったのかを振り返る価値があると思う。
A Taste of Honey / Sukiyaki (Soul Train)
オーディオ Sukiyaki / Kenny Ball (イギリスでのデキシーランドジャズ、1962)
ONE LOVE / 上を向いて歩こう [SING OUT from JAPAN] 3.11, 2011
Royal Bangkok Symphony Orchestra
「上を向いて〜SING FOR HOPE プロジェクト」
新型コロナウイルスCOVID-19での厳しい状況を受けて、宮本亜門を中心に、「上を向いて〜SING FOR HOPE プロジェクト」が始動した。