[FM] 9/12 アルヴォ・ペルトのティンティナブリ様式Arvo Pärt – Tintinnabuli
Text by Hideo Kanno 神野秀雄
Photo by Roberto Masotti
現代の音楽〜20世紀・現代音楽の系譜 29
「アルヴォ・ペルトのティンティナブリ様式」
Arvo Pärt – Tintinnabuli
2021年9月12日(日) 08:10-09:00 NHK-FM
出演: 西村 朗(作曲家)
エストニアの作曲家アルヴォ・ペルト Arvo Pärt(1935年〜)。ECMプロデューサーのマンフレート・アイヒャーはアウトバーンを走行中に偶然、アルヴォの音楽をカーラジオで聴き衝撃を受けたことから、『Tabula Rasa』(ECM1275)を送り出し、記譜された音楽のための「ECMニューシリーズ」が幕を開けた。マンフレート・アイヒャーをも虜にした聴いたことのない深いハーモニーは、アルヴォ・ペルトが確立した「ティンティナブリ様式」による。ティンティナブリはラテン語で「小さな鐘」を意味し、<Für Alina>(1976年)以降の作品に見られるようになる。NHK-FM「現代の音楽」では、作曲家の西村 朗がこれを解き明かし、作品を紹介する。
今回、エストニア出身の指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、エストニア国立交響楽団の演奏が3曲取り上げられる。NHK交響楽団首席指揮者への就任時のインタビューで、「今後、NHK交響楽団でアルヴォ・ペルトの曲を演奏しますか?」との問いに「人口百万人の小国に生まれた者として、エストニアの音楽を紹介することは私の重要なミッションと考えています。」と語っていた。また、ラ・フォル・ジュルネTOKYOでは、ルネ・マルタンが声楽アンサンブル ヴォックス・クレマンティスをたびたび招聘し、アルヴォ・ペルトの声楽曲を気軽に聴ける機会となってきた。今後も日本での演奏機会が増えることを期待したい。
Für Alina
アリーナのために
ヴェルナー・ベルチ ピアノ
(ECM1377 『Mozart/Scelsi/Pärt/Bärtschi/Busoni Werner Bärtschi』)
Fratres for String Orchestra & Percussion
弦楽オーケストラと打楽器のためのフラトレス
エストニア国立交響楽団、パーヴォ・ヤルヴィ指揮
(Virgin Classics TOCE-56549)
Cantus in Memory of Benjamin Britten
ベンジャミン・ブリテンへの追悼曲
シュツットガルト国立管弦楽団、デニス・ラッセル・デーヴィス指揮
(ECM1275 『Tabula Rasa』)
Summa
スンマ
エストニア国立交響楽団、パーヴォ・ヤルヴィ指揮
(Virgin Classics TOCE-56549)
Festina Lente
フェスティーナ・レンテ
エストニア国立交響楽団、パーヴォ・ヤルヴィ指揮
(Virgin Classics TOCE-56549)
Magnificat
マニフィカト
ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団、スティーヴン・クレオベリー指揮
(EMI TOCE-8586)
Arvo Pärt : Cantus in memoriam Benjamin Britten
Kent Nagano. L’Orchestre philharmonique de Radio France
Tintinnabuli – The Tallis Scholars Tribute to Arvo Pärt
Vox Clamantis: Hommage to Arvo Pärt in the Gerhard Richter Exhibition