ローリー・ヴァホーマン著『ビル・エヴァンスと過ごした最期の18ヶ月』刊行
22才の時にビル・エヴァンスに見初められたカナダの音楽生ローリー・ヴァホーマンが、ビルと過ごした最期の18ヶ月、ジャズとドラッグ、セックスに彩られた日常だが、瞬間瞬間が尊く、切なく、美しく、まるで恋愛小説を読むように胸が締め付けられるドキュメント。ビル・エヴァンス生誕90周年(1929~1980)の2019年に刊行され、2年後の命日(9月15日)に日本語訳(山口三平・訳)が出版された。本邦初公開といわれるビル直筆のラヴレター、ローリーのために書き下ろされたオリジナル楽曲、図版の数々が、これが現実に起こった出来事であり、フィンクションではないことを証明してくれる(そのことがさらに悲しみを深くする)。冒頭記される衝撃的なビル・エヴァンスの最期がまた最後に再現されるが、ローリーが彼の死を受け入れるためには40年の歳月と二度の絶命描写が必要だったのかも知れない。
『ビル・エヴァンスと過ごした最期の18か月』
ローリー・ヴァホーマン著
山口三平訳
四六判 212頁 2,300円+税
DU BOOKS(株式会社ディスクユニオン)