12/15 20歳ウクレレ奏者RIOがアルバム『RIO』をリリース、MVを公開〜井上 銘プロデュース、クラウドファンディング
Text by Hideo Kanno 神野秀雄
『RIO』
Transit (RIO)
Joker (Miki Saito)
You Know (RIO)
My Favorite Things (Richard Rodgers)
Waltz for Beth (RIO)
Asa Branca – O Ovo (Luiz Gongaza – Hermeto Pascoal)
Mother (Miki Saito)
Wishy Washy (RIO)
This Nearly Was Mine (Richard Rodgers/Oscar Hammerstine)
RIO: ukulele
井上 銘 Mei Inoue: guitar
有田純弘 Yoshihiro Arita: banjo
宮川 純 Jun Miyakawa: organ
山本 連 Ren Yamamoto: acoustic & electric bass
ダニエル・バエデール Daniel Baeder: drums, percussions
All songs are arranged by RIO & May Inoue 井上 銘
Produced and directed by May Inoue 井上 銘
Twin Music TMCJ-1002 2021年12月15日リリース
20歳のウクレレ奏者RIOが、ギタリスト井上 銘のプロデュースでアルバム『RIO』を12月15日にリリースする。
RIOは2001年生まれ、インターナショナルスクールでバイリンガルに育ち、現在は洗足学園音楽大学に学ぶ。10歳のときに家族と出かけたハワイでウクレレに出会うと、止まらない進化が始まり、やがてハワイで世界でも活躍するまでに。これまでにハワイの由緒ある「デュークス・ウクレレ・コンテスト」や、「インターナショナル・ウクレレ・コンテスト」で1位を獲得。また、ニューヨーク・ハーレムのアポロ・シアターのアマチュア・ナイトでも1位を獲得している。「ダイナースクラブ・ソーシャル・ジャズ・セッション2013-2014」で最優秀賞を受賞。13歳での最年少受賞にリー・リトナー、ブルーノート東京より賞賛される。ハワイのカマカウクレレのエンドースドアーティストとして、NAMM Showにも参加している。14歳で初のフルアルバム『I〜around〜』を金子飛鳥プロデュースでリリースしている。コンピレーションアルバム『Island Style Ukulele Vol.2』、カマカウクレレ100周年記念アルバム『Kamaka Ukulele Presents Keep Strumming!』は、”ハワイのグラミー賞”と称される「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」を受賞、『I~around~』は、”International Album of The Year”にノミネートされた。
2021年にRIOは”ハタチ”を迎えた。最も大切な時期にCOVID-19の最中であり活動の場も限られ、何よりハワイにも行けない、そんな不遇の時期にあってこそRIOの飛躍は続く。2020年、2021年にブルーノート東京で小曽根 真と共演、その映像は「TOKYO JAZZ 20th」で世界に発信された。またハワイ出身のエリック・ミヤシロ率いるブルーノート東京オールスター・ジャズオーケストラのステージにも招かれた。亀田誠治プロデュースの「日比谷音楽祭 2021」でも配信で出演。
RIOの音楽を聴けば、彼が決してテクニックに優れた”天才ウクレレ少年”的存在ではなく、素晴らしい音楽家であり、魅力的な人柄がそのまま音になっていることがわかる。ウクレレという最良の友に出会ったものの、ウクレレじゃなくてもRIOの音楽が確かに生まれ、自然と人と繋がると確信している。他方、ウクレレという楽器の魅力と可能性を世界の人にも伝えたいというのも大切なミッションであるようだ。RIOは”ハタチ”を迎え20歳、またウクレレと歩き始めて10年、一つの節目、そして新たなスタートとなるこの年に、このコロナ禍でも何かをしたい。何かを残したいと思っていたと言い、SNSでの言葉を選んだ真摯な投稿からもそれが痛いほど伝わり、そして静かに着実に構想し歩んでいることが見えた。
そして、自身が敢えて”デビューアルバム”と呼ぶ『RIO』プロジェクトを始動。ギタリスト井上 銘をプロデューサーに録音を完了し、2021年12月6日まで“RIO ハタチの音 -『NEWアルバム制作プロジェクト』としてクラウドファンディングを行い、12月15日にTWIN MUSICよりリリースとなる。
RIOは井上をプロデューサーに選んだことについて次のように述べている。「レコーディングの前、お互いの世界感を探りあうセッションでは、僕が描いていた通り、いや、それ以上に、銘さんとの音の会話がひたすらに楽しく、導かれるセンスに、常に僕の魂が持たないくらい高揚しました。もうすでにそこで、凄いレコーディングになると確信しました。」 井上 銘の他、ベースの山本 連、ドラムスのダニエル・バエデール、そして、スペシャルゲストに、洗足学園音楽大学での師匠である有田純弘がバンジョーで参加、初のオルガンとのコラボとなる宮川 純も参加した。インターナショナルスクールに学んだRIOは当然のように海外の音楽大学を目指していたが、有田に出会いもっと学ぶために尊敬する有田のいる洗足学園音楽大学を選んでいて、それだけに師弟の共演には格別な喜びがある。
ウェブサイトから、RIOの言葉を引用すると、
「僕にとって初めてのバンドアレンジでのレコーディング。今まで頭の中だけで鳴らしていた音が現実に響き渡りました。そしてその全てが”この瞬間を録りたい!” そう思わせてくれる、瞬間の連鎖でした。ひとりひとりの個性が交差していき、変幻自在のインタープレイの中で、今の僕の音、そう、ハタチの僕の音だと思える音がちゃんと存在していました。
そんな最高の瞬間が集まったアルバムになりました。ジャズ、ラテン、ファンク、ロック、ハワイアン、、、。東京、ブラジル、ニューヨーク、イタリア、、、。数々の点が、全てボーダレスに、『RIO』と言う音楽、『RIO』と言う世界で繋がりました。。。」(全文はこちらを参照)
このアルバムのごく一部を試聴することができるが、その曲の素晴らしさと仲間たちとの自由で心地よい演奏に圧倒される。ウクレレを中心としたバンドサウンドとしては、筆者が待ち望んでいたものがついに現れたと思った。筆者はRIOの無限の可能性を楽しみにしていて、言い換えると、RIO自身がまだ見つけていない音楽を探す旅にどこまでも連れて行ってもらうことにわくわくが止まらない。
RIO、井上銘、山本連、ウクレレ、宮川純、ダニエル・バエデール、Daniel Baeder、有田純弘、Ukulele