6/15 ECMから6月新譜2タイトル リリース
Elina Duni『A Time to Remember』 Nils Økland & Sigbjørn Apeland『Glimmer』
ECMから6月新譜として、アルメニア生まれスイス育ちのエリナ・デュニ(ヴォイス)のカルテットによる『A Time to Remember』(追憶の時)とノルウェーのニルス・オークランド(ヴァイオリン/ハーダンガー・フィドル)とシグビョルン・アペランド(ハルモニウム)のデュオによる『Glimmer』(きらめき)の2タイトルがリリースされた。
Elina Duni(エリナ・デュニ, voice)の『A Time to Remember』(ECM2781)は、Rob Luft(ロブ・ルフト, guitar)、Matthieu Michel(マチュー・ミシェル, flugelhorn)、Fred Thomas(フレッド・トーマス, percussion/piano)を擁した前作『Lost Ships』(ECM2689) と同じカルテット編成。タイトルが示すように、「時間」という概念がテーマのようにプログラムを貫き、トラッド、ポピュラーソング、オリジナル曲など、ジャンルを横断する音楽を深いリリシズムと俊敏なフォークロアのパフォーマンスで繋いでいる。レパートリーは、エリナの生地であるアルバニアとコソボのトラッド、ブロードウェイの名曲<I’ll Be Seeing You>やスティーブン・ソンドハイムのミュージカル・バラード<Send In The Clowns> などのアメリカ出自の曲、そしてロブとエリナのオリジナルまで。”コンセプトと概念化が一体となってクラシックを生み出す”という前作以来追求されている可能性のクオリティがさらに高められた1作。エリナにとってECM5作目。
ヴァイオリニストのNils Økland (ニルス・オークランド)とキーボーディストのSigbjørn Apeland(シグビョルン・アペランド)は、30年来の音楽パートナーとして、ノルウェーの伝統音楽と即興演奏の接点を長年探求してきた実績を持つ。彼らのデュオによる新作『Glimmer』(ECM2762) は非常に美しく感動的で、西ノルウェーのHaugalandet(ハウガランド)地域の民族音楽を出発点として選んだ。アぺランドは、伝統を守り続けてきた地元の歌手たちの作品を集め、オリジナル曲とともに、このアルバムのレパートリーを構成した。選曲は、19世紀のノルウェーの偉大な風景画家ラース・ヘルターヴィグの映画のために書かれた作品から、モダニズムの作曲家ファルテイン・ヴァレンにインスパイアされた音楽までさまざま。オークランドのハーダンガー・フィドルとアペランドのハルモニウムのコンビネーションが、全体を通して、素晴らしい喚起力を発揮している。ニルスはECM4作目、共演名義で他に4作。
なお、『Glimmer』のヴァイナル・エディションは今年後半に発売予定。