訃報 ジャズ評論家 悠雅彦さん逝去
Masahiko Yuh jazz critic passed away
ジャズ評論家の悠雅彦さんが10月14日夜、老衰のため逝去。享年85。葬儀は縁者で済ませ、後日「お別れの会」を開く予定。
悠雅彦(本名:渋谷禎省しぶやただみ)、1937年11月1日、神奈川県逗子の生まれ。
早稲田大学文学部英文科卒業。ヴォーカリストを経てジャズ評論家に転身、ジャズ・コンサートのMCも務めた(セシル・テイラー・ユニットのライヴ・イン・ジャパン『アキサキラ』冒頭のMCはよく知られるところ)。1975年、評論活動の一環として、旧トリオレコードの協力を得てWhyNotレーベルを設立、シカゴAACMを中心に当時の最先端のジャズを本場アメリカに先駆けて紹介、世界的に評価された。女子美術大学で講師を務めながら、朝日新聞でコンサート評を執筆する他、文化庁他各種音楽賞の選考委員を兼務。
2004年6月、同志と総合音楽ウェブ・ジャーナル JazzTokyoを立ち上げ主幹に就任。近年は、同誌をホームグラウンドにジャズを中心に、コンサート・レヴューはクラシック、純邦楽まで幅広く手がけた。
著書に、『モダンジャズ群像』『ぼくのジャズ・アメリカ』『ジャズ 進化・解体・再生の歴史』(以上、音楽之友社)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)がある。
2020年度「日本ジャズ音楽協会 会長賞」受賞。