「死ぬまでジャズ〜鈴木良雄・自伝」刊行
チンさんのニックネームで知られる現役最高のジャズ・ベーシスト鈴木良雄の自伝「死ぬまでジャズ」が出版された。生まれから現在まで、文字通り全生涯が6章に分かれて語り尽くされる。
チンさんと言えば、ピアニストとしてプロ・デビューしながら渡辺貞夫のバンドに入団後、バンマスからベーシスト転向を申し渡され、すぐベーシストとして演奏を始めたという奇跡的な軌跡が有名だがその辺りの事情も詳述されている。その他、奥さんとの出会いから結婚までのハラハラ話、アート・ブレイキーやマイルス・デイヴィスとのエピソードなど、文字通り読み始めたらやめられない内容の連続。
チンさんファンは言うまでもなく、ジャズに興味がある者もない者もひとりの人間としてのジャズ・ミュージシャンの在り方、ジャズ・シーンの内幕などが素直に語られる。しかしその実、その内容は修羅場を潜り抜けてきたヴェテランの生の声だけにずしりとした重さがある。
加えて、陳さんの好きなジャズ・アルバムや幼少時代からの貴重な写真の数々も。
四六判、240ページ。2.500円(税込)。リットーミュージック刊。
詳細は;
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3123343005/