#1453『Bill Frisell & Thomas Morgan / Small Town』
text by Masanori Tada 多田雅範
ECMレーベルの新作を聴くシリーズ2017秋
ECM 2525
Bill Frisell: Guitar
Thomas Morgan: Double Bass
1. It Should Have Happened A Long Time Ago )Paul Motian)
2. Subconscious Lee (Lee konitz)
3. Song For Andrew No. 1 (Bill Frisell)
4. Wildwood Flower (Joseph Philbrick)
5. Small Town (Bill Frisell
6. What A Party (Dave Bartholomew, Fats Domino, Pearl King)
7. Poet / Pearl (Bill Frisell, Thomas Morgan)
8. Goldfinger (John Barry, Leslie Bricusse, Anthony Newley)
Recorded live at the Village Vangurad, New Yiork, March 2016
Mixing at Avatar Studios, NY, December 2016 by James A. Farbar, Manfred Eicher, Bill Frisell and Thomas Morgan
Produced by Manfred Eicher
『ビル・フリゼール&トーマス・モーガン/スモール・タウン』
これは、これは、
ECMレーベルの新作を聴くシリーズ2017秋、第四打席、フリゼールとモーガンのデュオ、何をか言わんや、名前を口にするだけで桃源郷サウンドは到来するではないか、
ようこそフリゼール、よく来たなフリゼール、よく。来れたものだなフリセール、30年前のECMレーベルと新生ノンサッチレーベルの大西洋をはさんだ独立分裂ヤクザ抗争ではメセニーやライヒやアダムスと血を血で洗う、サラを割ったのか洗ったのか、よくわからない、が、以来初のECMリリース、ライヴ音源なんでアイヒャーと顔合わせんでもギャラもらえるんでんねん、
今年のジャズ界収穫盤であるチャールズ・ロイド&マーヴェルズ『I Long to See You』は社用車御用達の福袋盤なわけで、そこで一番大きな顔をしてジャケに映っている場合ではなかっただろうフリゼール、お前さんは法王モチアンからロヴァーノと共に21世紀ジャズの扉の前まで連れてきてもらったんだろ?80年代だったな、
おお!そうか、1曲目「It Should Have Happened A Long Time Ago」は、モチアン~ロヴァーノ~フリゼールの最初の顕現アルバムしかもECM(その後このトリオはWinter & Winterに正しくトンズラしている)の1曲目タイトルナンバーだな、よし、この演奏で!仁義を切るというのか、スジの通った、誠意のある回答だ、わかった、聴くとしよう、
だめだ、なみだで目が見えない、フリゼール、お前、わかってるじゃねえか、うううっ、作曲したモチアンがよみがえってくるぜ、その心意気、しかと受け取った、深度の大半はモーガンのおかげだけどな!、
2曲目は「サブコンシャス・リー」、リー・コニッツの衣鉢を継ぐとでも?、3曲目「Song For Andrew No. 1」はアンドリュー・ヒルなのか?、畳みかけてきたな、なかなかのものだ、やるな、しかし4曲目5曲目はさすがに馬脚を現すかフリゼール、このアメリカの田舎者め、ECMでカントリーミュージックやるなよ、アイヒャーもゼニのためには許すのか、
だめだ、甘すぎて聴いてられん、『キューン~ラファロ1960』エスプレッソ盤で口の中を洗い流さなければ、ま、フリゼールもメセニーもファナティックな発明者ではあるけれどインプロヴァイザーとしては並みだというのは織り込み済みさね、
だから、許す、おおこの音源はLP2枚にしてもリリースするのか、いいなあ、欲しいよなあ、アナログでJBLで鳴らせる人生をこのおれに、