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CD/DVD DisksNo. 235

#1458 『Christian Meaas Svendsen / Avin』

text by Narushi Hosoda 細田成嗣

Nakama Records – NKM010CD/LP

Christian M. Svendsen – vocals guitar
Vilde Alnæs – violin
Adrian Løseth Waade – viola
Kaja Fjellberg Petteren – cello
Inga Margrete Aas – double bass
Henrik Munkeby Nørstebø – trombone
Espen Reinertsen – tenor saxophone
Agnes Hvizdalek – vocals

  1. Da du og jeg var vi
  2. Kretsløp
  3. Avin
  4. i Berlin
  5. Katarsis
  6. 11 dager
  7. Tørr og sliten jord

Produced: Christian Meaas Svendsen
Recorded: Dag Erik Johansen, Athletic Sound, Halden, Dec 2016
Mixed: Aleksander Sjølie, Kvadraturen Studios, Jan/Feb 2016
Mastered: Morgan Nicolaysen, Propeller Mastering
Album photo: Emil Gurvin
Make-up: Marte Østensen
Cover design: Christian Meaas Svendsen


ノルウェーのグループNakamaのベーシストとしても知られるクリスティアン・メオス・スヴェンセンによる新作は、アヴァンギャルドかつエクスペリメンタルなこれまでの彼のイメージの斜め上をいくような、極上の「歌もの」に仕上がっている。ブライアン・ブレイドの『ママ・ローザ』を彷彿させるフォーキーな作品で、さらに総勢八名の参加メンバーによって編み上げられていく緻密なアレンジが施された演奏は、近年のラージ・アンサンブルの動向ともリンクする内容だ。もちろん楽曲によっては彼ならではの特異な響きも織り交ぜられていて、それが有機的にまとめあげられている様は、ジム・オルークの『ユリイカ』あたりを引き合いに出してもいいのかもしれない。ロバート・グラスパー周辺の現代ジャズと実験音楽の成果をノルウェーで接続する試みと言うこともできる。いずれにしてもスヴェンセンの関心領域の幅広さと音楽的能力の高さを知らしめる傑作だ。

細田成嗣

細田成嗣 Narushi Hosoda 1989年生まれ。ライター/音楽批評。2013年より執筆活動を開始。編著に『AA 五十年後のアルバート・アイラー』(カンパニー社、2021年)、主な論考に「即興音楽の新しい波──触れてみるための、あるいは考えはじめるためのディスク・ガイド」、「来たるべき「非在の音」に向けて──特殊音楽考、アジアン・ミーティング・フェスティバルでの体験から」など。2018年より「ポスト・インプロヴィゼーションの地平を探る」と題したイベント・シリーズを企画/開催。

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