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CD/DVD Disks特集『ピーター・エヴァンス』No. 249

#1578『Sunjae Lee / Entropy』

text by 定淳志 Atsushi Joe

Sunjae Lee / Entropy
(デジタル・アルバム)

  1. Daedalus
  2. Alternative Facts
  3. Icarus
  4. Foxdeer
  5. Agent Entropy
  6. Entropy
  7. World on Fire
  8. Body

Sunjae Lee – Soprano and Alto Saxophone
Peter Evans – Trumpet (1,4,6,7,8), Piccolo Trumpet (3)
Minki Cho – Bass (2,5,6,7,8)
Junyoung Song – Drums (2,4,5,6,7,8)
Chris Varga – Vibraphone (6,7)

 

2018年9月に待望の日本ツアーを行ったピーター・エヴァンスは、韓国ツアーへ向かい、本作はそこで録音された(ようだ。レコーディングデータが記載されていないので、そう推定している)。

リーダーのスンジェ・リーは韓国在住のソプラノ&アルトサックス奏者。もともとは米国マサチューセッツ出身だそうで、14年に韓国に移住するまで、当地でピーターと長年コラボレートした仲という。本作はスンジェ・リーのレギュラートリオにピーターが客演し、さらに2曲でヴィブラフォンのクリス・ヴァーガ(米国)も参加している(ミックスとマスターはアイヴィンド・オプスヴィック)。

全8曲、うちピーターが加わるのは6曲。1、3曲目はサックスとトランペットによるインプロデュオ。2、5曲目がスンジェ・リー・トリオによる演奏。4曲目がサックス、トランペット、ドラムによるトリオ。6、7曲目がヴィブラフォンの加わったクインテット。最終曲がリー・トリオ+ピーターによるカルテット。となる。

リーとピーターのデュオは、テクスチャを重ね合わせながら、息の合ったコラボレーションをみせる。残るトラックは概ねリズムと小節が固定された、ストレートジャズ寄りのフォーマット上で、サックスやらトランペットやらがスウィング感を保ちつつ、自在に遊び、実験をするといったふうだ(クインテットの演奏は、編成的にそこはかとない『Out To Lunch』感も漂う)。全体を通じ、旧交を温めるような、和やかなセッションとなっている。

 

定淳志

定 淳志 Atsushi Joe 1973年生。北海道在住。執筆協力に「聴いたら危険!ジャズ入門/田中啓文」(アスキー新書、2012年)。普段はすこぶるどうでもいい会社員。なお苗字は本来訓読みだが、ジャズ界隈では「音読み」になる。ブログ http://outwardbound. hatenablog.com/

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