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及川公生の聴きどころチェックNo. 226

#320 『John Abercrombie Quartet / Up and Coming』

ECM 2528

John Abercrombie (guitar)
Marc Copland (piano)
Drew Gress (double bass)
Joey Baron (drums)

1.Joy
2.Flipside
3.Sunday School
4.Up and Coming
5.Tears
6.Silver Circle
7.Nardis
8.Jumbles

All music by John Abercrombie except #5,6 by Marc Copland and #7 by Miles Davis

Recorded April/May 2016 at Avatar Studio, NY
Engineer: James A. Farber
Produced by Manfred Eicher

音像をあまり広げない、高音質のサウンドが展開する。ピアノとギターが、強い印象で空間を造る。ギターのサウンドが極めて良質なのだ。ピアノとのミックスで、そのセパレートが明確と混合とせめぎ合う。優れたサウンド配分。ギターのエッジの自然さが心地良く、」ピアノの余韻と巧く解け合う。その余韻の美しさが、このCDの聴きどころだろう。

ドラムは常に離れた環境表現でまとめられる。しかし、シンバルの鋭いエッジは強烈な印象。マイキングの手法で得られるサウンドを最大限に生かして、音像を支配する。

ベースの底辺を支えるサウンドは、輪郭より空間の曖昧さで形成。
落ち着きのある、サウンド空間が心地いいのだ。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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