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及川公生の聴きどころチェックNo. 240

#417 『藤井郷子オーケストラ・ベルリン/ナインティナイン・イヤーズ』

Libra Records/Bomba 211-047 ¥2,300+tax

 

藤井郷子(Cond)
オーケストラ・ベルリン

Matthias Schubert(ts) Gebhard Ullmann(ts) Paulina Owczarek(bs)
Richard Koch(tp) Lina Allemano(tp) Natsuki Tamura(tp)
Matthias Muller(tb)
Jan Roder(b) Michael Griener(ds) Peter Orins(ds)

1 Unexpected Incident
2 Ninety-Nine Years
3 On The Way
4 Oops!
5 Follows The Idea

Recorded by Ti To at zentri-fuge, Berlin, April 2, 2017
Mixed by Peter Orins, October 25, 2017
Mastered by Max Ross at System Two, NYC, NY, November 30, 2017
Executive producer: Natsuki Tamura


テナー、バリトンの炸裂が、中高音部に集中したエネルギーで表現される。そこは演奏のバランスにお任せが聞き取れ、ミックスでの調整ではない迫力を感じる。割り込むTb、Tpも色彩感を強調。ミュージシャンのマイクの使い方に任せる録り方がうかがえる。筆者の経験から、音楽の勢いを薄くしない手法である。

音像構成の面白さも注目したい。音源の左右空間乱舞は、混濁を避けて、個々が浮き立つ。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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