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及川公生の聴きどころチェックNo. 250

#497 『一噌幸弘/幽玄実行〜セシル・テイラー追悼』

text by Kimio Oikawa 及川公生

tohyohyo music tohyohyo-006 ¥2500+税

Yukihiro Isso 一噌幸弘 (能管, 田楽笛, 篠笛, recorder, 角笛)
Yoriyuki Harada 原田依幸 (p)
Ko Ishikawa 石川高 (笙)
Takinojo Mochizuki 望月太喜之丞 (邦楽打楽器)

1. カカリ

2. 初段
3. 二段
4. 三段

5. 空段

2011年3月1日 新宿ピットインでライヴ録音


ライヴ録音。ライヴのなせる技が、この内容に大きく作用している。閉鎖空間とは言え、スタジオより響きの豊かさが楽器の音色に作用する。能管が、それを表している。強く感じる音域を貫く音を、距離感が緩和してくれるのだ。聴いて、ハッと感じた感想だ。リバーヴ処理も多用して背景が緩和される。邦楽打楽器にも現れる空間は聴きどころ。この作品の背景はピアノのサウンド処理だ。激しい演奏時のエネルギーを強烈音量で聴かせる。繊細な響きから鍵盤からのエネルギーを解放する音は賞賛。


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及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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