JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 952 回

Concerts/Live ShowsNo. 321

#1337 Joe Armon-Jones ジャパン・ツアー2024 @Baroom

ジョー・アーモン=ジョーンズ TSUBAKI fm presents Joe Armon-Jones Japan tour 2024

2024年11月26日(火)南青山BAROOM

text by Kazune Hayata 早田和音
photo by Keiji Asahi 朝日啓司

【出演】
Joe Armon-Jones (kb, p)
Luke Wynter (b)
Morgan Simpson (ds)
栗原健(ts, ss)

【セットリスト】
1.Conquering Lion
2.Ragify
3.Hurry Up & Wait
4.Acknowledgement Is Key into Shaka Bassline
5.Icy Roads
6.Lifetones
7.Pray
8.BTSU in dub
9.Watermelon in Easter Hay
10.King Tubby Meets the Rockers Uptown
11.Almost Went Too Far

 

UKジャズ・ファンにとって夢のようなライヴ、“TSUBAKI fm presents Joe Armon-Jones Japan tour 2024”が実現した。ジョー・アーモン=ジョーンズは、UKジャズ・ムーヴメントの最先端を行くエズラ・コレクティヴの中心メンバーを務めるだけでなく、ヌバイア・ガルシア(ts)やモーゼス・ボイド(ds)とのコラボレーションも展開するトップ・キーボーディスト。そしてそのジョーンズとともに来日するのは、同じくUKジャズ・シーンを活性化させているBlack Midiのドラマー、モーガン・シンプソンと、UKアフロジャズ・バンドNubiyan Twistのベーシストを務めるルーク・ウィンターという、シーン最注目のふたりだ。ハウス、ジャズ、レアグルーヴなど多様な音楽の発信やDJやクラブ・イベントなどの推進をするインターネットラジオTSUBAKI fmの招聘によって実現した同ツアーは、WWW X、Club METRO、24PILLARS、東京・虎子食堂を熱く沸かした後の11月26日に、南青山のBAROOMで最終公演を開催。しかもそのステージには、自身のリーダー・バンド”Takeshi Kurihara Quartet”を主宰するほか、Jazztronik、Soil & “pimp” Sessionsなどへの参加でも知られる栗原健(ts, ss)も登場。BAROOMの円形ホールは、スペシャルなライヴに駆け付けたファンでぎっしり埋め尽くされている。

 

   

 

オーディエンスからの大きな拍手に迎えられて登場したジョーンズ、ウィンター、シンプソンの3人。ジョーンズがキーボードの煌びやかなサウンドでスピード感あふれるアルペジオを繰り出すと、ウィンターのゆったりとしたベースとシンプソンの小気味よいドラムがスタート。オープニング・チューンは、キング・タビー(prod)&ヴィヴィアン・ジャクソン(prod, vo)の名曲「Conquering Lion」だ。その後トリオは、既発の人気曲「Ragify」や「Icy Roads」、来年に発表される新アルバム収録予定の「Acknowledgement Is Key」など連ね、ホールを沸かしていく。

  

栗原健が加わっての後半は、「Acknowledgement~」と同じく次回作に収録される「Lifetones」で軽やかにスタート。その後は、ジェイ・ポール(vo, prod)の「BTSU」や、フランク・ザッパ(vo, g, b, kb, ds)の「Watermelon in Easter Hay」という、ジョーンズがリスペクトするアーティストのカヴァー曲を披露してオーディエンスを楽しませる。とりわけ印象的だったのが後者「Watermelon~」だった。原曲よりもテンポを落としたバラード・アレンジの中で展開されるジョーンズのリリシズム豊かなアコースティック・ピアノと栗原の清らかなソプラノサックス。キーボーディストとして名高いジョーンズのピアニストとしてのスキルの高さを見せつけた「Watermelon~」はライヴ中盤の大きなハイライトとなっていた。4人が一体になったディープ&ドープな演奏は、終盤に入ると加速度的に熱量を増していき、最終曲「Almost Went Too Far」で頂点に到達。ホール全体にグルーヴ・エネルギーが横溢するエキサイティングなフィニッシュを飾った。

早田和音

2000年から音楽ライターとしての執筆を開始。インタビュー、ライブリポート、ライナーノーツなどの執筆やラジオ出演、海外取材など、多方面で活動。米国ジャズ誌『ダウンビート』国際批評家投票メンバー。世界各国のメジャー・レーベルからインディペンデント・レーベルまで数多くのミュージシャンとの交流を重ね、海外メディアからの信頼も厚い。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください