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及川公生の聴きどころチェックNo. 246

#467 『Barre Phillips / End to End』
『バール・フィリップス・ベース・ソロ/エンド・トゥ・エンド』」

text by Kimio Oikawa 及川公生

ECM2575

Barre Phillips (double-bass)

1. Quest Part 1
2. Quest Part 2
3. Quest Part 3
4. Quest Part 4
5. Quest Part 5
6. Inner Door Part 1
7. Inner Door Part 2
8. Inner Door Part 3
9. Inner Door Part 4
10.Outer Window Part 1
11.Outer Window Part 2
12.Outer Window Part 3
13.Outer Window Part 4

Recorded March 2017 @ LaBuissone Pernes-les-Fontaines
Engineer: Gerard de Haro
Produced by Manfred Eicher


弦の震え、コントラバスの胴の振動。楽器が奏でるサウンドの魅力を見事に捉えた秀逸録音。これをハイレゾでと欲求が出ても、それは要らない。弦の反発力が伝える唸りのエネルギーは、現在のクオリティで充分を聴かせる。マイクで録音する作業で、生音からマイナスの感触もあるが、マイクが拾ったサウンドが、例えようのない驚きのマジックを拾い出す。
この録音がそれだ。例えでよく言われることは、生より生々しいということ。録音の巨匠は、これを知り尽くして、この録音のような感動を引き出す。タネも仕掛けもあるのだが、アコースティックは害してはいない。ひとつ加えたい事は、マスタリング技術が秀逸録音に加担している。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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