Jazz and Far Beyond

封印された暗い欲望を攪乱・拡散・覚醒する
全二巻の大著『ジャズ・ピアノ』(岩波書店)でどっかり読ませた後の軽い一冊、イイ感じでピアノトリオの定番を聴きながら解説。
大阪を中心に関西美術界を牽引するギャラリーノマルの35周年記念企画。
NHKでの放送を見た時の新鮮な感動が再び湧き上がってきた。
この J-ラテン・ジャズ・シーンの傑品の再登場、心から祝福したい。
様々な音楽的要素がミックスチャーされた正に現代の先端を行くサウンドは聴きどころ満載。
The Bass Collectiveはコントラバス3台によるトリオで、齋藤徹氏の遺志を受け継いで始まったプロジェクト。ベーシスト3人の「語り口」がそれぞれ味わい深い。
どうも聴く者は安田芙充央という魔術師に幻惑されているようで、またなにが起きたのかをたしかめようとして最初からアルバムを聴くことになる。
オーディオは匂いをかぐためにあるのです。
この「音」の静かな緊張感と迫力に圧倒された。様々なノイズと音楽が、演奏する音楽家の生身の姿と一体になり、巨大な作曲家の音楽人生が凝縮されて刻まれている。
縄文から現代まで時空を超越した音空間を創出した稀有な時間で、まさにタイトルが示すとおり「異響同塵」。その世界を体感出来るCDだ。
今までに映画のサウンドトラックを手に入れようなどと思ったこともなかったが、この映画の凄さやそれぞれの役者の歌い方や曲の凄さにすっかりやられ、初めてアルバムを手に入れて何度も聞いてみてしまった。
リハビリを続けるキース・ジャレットの1992年の貴重なドキュメント。
どこまでも優しいサウンドを聴いていると、何だか身も心もトロリと溶けてしまいそうに心地良い。
天国のチェットからジャズ・ファンへのクリスマスプレゼントである。
英国を代表するヴォーカリスト/作詞家のノーマ・ウィンストンが、キット・ダウンズ(p)という新たな相棒を得て吹き込んだデュオ盤。瑞々しく冒険心に満ちている。
なぜこれほどに奇跡的な邂逅のドキュメントが眠っていたのだろう。
新たに発見された、チャーリー・パーカーのカンザスシティでの1941年〜1951年録音のアルバム。
彼のピアノの “音色” に病みつきになりました。
現代曲からマッツ・グスタフソンの「ファイアー!オーケストラ」まで歌手として、また作曲家として多彩な活動を続けてきたソフィア・イェルンベリとロンドンの即興音楽シーンで注目されているピアニスト、アレクサンダー・ホーキンスとのデュオ作品。
音の狭間に揺らぐ深淵と、東京の冬の木漏れ日がリンクした超時的な昼下がり。
多数の有志の演奏家・身体表現者が多摩川の河原に集う野外イベント。
思わずワオーと叫んだ。靖晃がテナーサックスで吹きまくる数分が一段落ついたときだ。
このエキシビションとドキュメンタリー映画を併せ観ることでECMの“Ambience”を把握できるだろう。
出会ったことのなかった音楽家3人が集い、既視感のない透明で自由な音楽を紬ぎ出す旅を続ける「sonora do silêncio」。結成半年後に行われた大阪・京都公演で、さらに融合と成熟が進み、未来への新たな何かが動き出した。2025年もこの3人の音楽の旅から目が離せない。
高瀬アキがSAX奏者ダニエル・エルトマンを伴って帰国した新宿ピットインでのライブが素晴らしかった。
これ以上望むことが出来ない夢のような式典が「サッチモゆかりの場所」で実現。
喜多直毅は途方もなく激しい動きでヴァイオリンを操っていた。そのヴィジュアルの迫力が、クアルテットの推進力の一つとなっていた。
打撃音が交錯した激烈且つ疾走感溢るるスリリングなふたりの熱い語らい。
コロナ期を経て5年ぶりに白石民夫が新宿西口カリヨン橋でアルトを吹いた。
50年を迎えた西荻のかけがえないジャズ拠点、アケタの店。
音楽というジャンルで捉えられる即興パフォーマンス、そして美術におけるインスタレーションの境界線に立つ、なかなか面白いステージだった。
一番印象に残ったのは2つの海外ミュージシャンによるライヴ・パフォーマンスだった。
やはりMy PickとなるとHiromiのSonicwonderlandだ。ベースのアドリアン・フェホーとドラムのジーン・コイをようやっとライブで観ることができて興奮したし、Hiromiはやっぱりライブが最高だった。
ECMとマンフレート・アイヒャーの思想を理解するために最適なドキュメンタリー
地球の裏側でお互いをリスペクトしてきた巨匠 小曽根真と鬼才 アンドレ・メマーリが、ずっと夢見ていたデュオコンサートを2024年4月サンパウロで実現。お互いの音を完全に聴き合いながらその場で生まれてくる音楽に圧倒された。この初コンサートを経て12月に日本でのツアーが行われ大成功を収めた。
マリサ・アベラが吹き替えなしで自身が歌ったその声・歌唱力に脱帽。
ノルウェー在住、田中鮎美(p)参加のプロジェクト。トーマス・ストレーネン(ds)率いる5人は、その日の風に乗るように、即興が導くまま変容していく。
8年ぶりのトン・クラミ来日公演。
極めてシンプル・・・。でもこのシンプルな味わいの深さ、尊さといったら・・・。
ふたりのイタリアの天才型ミュージシャンのデュオを無料で聴けた。
百戦錬磨のメンバー達による緩急自在のアンサンブルの面白さが際立つ公演。彼の特徴である美音も健在だった。
3者の音楽性が相間見え、織り成されて会場に谺したサウンドはまさに「宇宙の仙川」、 稀に見る秀逸なコラボレーションだった。
バール・フィリップスの訃報を知った時、楽器の深部から導き出される馥郁たる響きが耳の奥で蘇ってきた。
ジャム・セッションに上がった彼を見て、その引き出しの大きさにさらに驚いた。
リオネール・ルエケが我が師デイヴ・ホランドとのデュオ・アルバムを発表した。ハンコックやブランチャードのライブで馴染んでいたルエケの演奏は、このアルバムで恐ろしく進化していた。このご機嫌なアルバムから耳に張り付いて離れない1曲の解説を試みた。
1940年代、チャーリー・パーカー、コールマン・ホーキンスやレスター・ヤングなど多くのジャズ・ミュージシャンがストライプ柄のズート・スーツを好んで着ていた。
巡る季節を進むLAL。謹賀新年。連載通算500本を目標にしつつ迎える新年。
今月号では時計の針を少し戻し、昨年神無月上旬から霜月上旬に巡った充実の現場6本をご紹介。
あたり前」の世界からちょっとハズレた所に面白いモノはある…、
纐纈が初手合わせとなるメンバーとの間に一切のリハーサル無しで臨んだこのセッションは、爽快感に溢れている豊穣のドキュメント。
テクニック至上ではなく、いやテクニックを超えて吹ききる、咆哮する、纐纈之サックスは情念。
あたかもフリージャズ全盛期を思わせるような激しい演奏に驚かされる
ジョビンと坂本龍一が繋いだ日本とブラジルの深い音楽の絆。優れた音楽は新たな手により、形を変え世界に受け継がれていく事を実感させるライブだった。
演奏曲はほとんどどがマリアの作曲で、鳥など自然や身の回りのことが発想の元になっている
香港映画のサウンドトラックの多様さやすばらしさに改めて気づき、より深く知るきっかけにもなった
この日のためにオーガナイズされた11人編成のスペシャル・バンドによる貴重なライヴ
UKジャズの奇才ジョー・アーモン・ジョーンズがBaroomで栗原健を迎えて行なったスペシャル・ライヴ
どんなオーディオ機器にも合う、うまくまとまった音
仲野麻紀は著書のタイトルにあるように、旅する音楽家である。それは異国に住み世界各地を移動するというだけの意味ではない。