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タガララジオ 多田雅範No. 242

タガララジオ49「子と手をつないだ様子が、あ、ち、こ、ち、歩いてる、」

track 405-40
Niseko-Rossy Pi-Pikoe

「子と手をつないだ様子が、あ、ち、こ、ち、歩いてる、」 岡村靖幸 「ファミリーチャイム」 2004


 


<track 405> NAMiDA / KANA-BOON 2017

こいちゃんがねー、

ラドウィンプス好きの次男が、カナブーン好きの次女をだめだといっていたが、おれは好きだ、

KANA-BOON 『涙』Music Video


後戻りできない耳、


<track 406> Blurred Music / Biliana Voutchkova, Michael Thieke (elsewhere 001-3) 2018

新しい扉というものは常に、至ってシンプルな形状をしているものかと思う、

新しいレーベルが誕生する、それは3都市でのライブ録音、CD3枚組で、クラシックのレーベルという打ち出しなのだが、かつてECMレーベルが84年にニューシリーズを発足させ、第一弾のアルヴォ・ペルト『タブラ・ラサ』によって”現代音楽の風景を一変させた”という史実の、21世紀ヴァージョンがここに登場したのだとまずは宣言しておきたい、

楽器編成とか経歴は必要だろうか、improvisation/composition のありようをここで述べるべきなのだろうか、わたしは知らずにこの音源に耳をすましたのだ、

フィーレコ(Field Recordings)という一般的にはあまり馴染みのないジャンルがある、環境音とかヒーリングでは括ってならない、アンビエントもインプロもサウンドアートも溶かしてしまうような耳の領域だ、それを持ち出してこの3CDの音楽を思考したいと欲したりもする、

シカゴ、ニューヨーク、フィラデルフィアでのそれぞれのライブ録音、3CD、ECM NEW SERIES アイヒャーは1枚ならと眠たい反応だろうが、

Violin/Voice ビリアナ・ヴァチコヴァ Biliana Voutchkova 1972-
Clarinet ミヒャエル・ティーケ Michael Thieke 1971-
produced by David Sylvian and Yuko Zama
artworks by David Sylvian



<track 407> Life Of / Steve Tibbetts (ECM 2599) 2018

この、夜中の猫の目の喚起力、ジャケに意味を込めるECMならではだ、

”釣り人がゆるやかに凍死してゆくような”、チョーキングの魔術師、

ギタリスト、スティーヴ・ティベッツ、ECM第1作『Northern Songs』(ECM)1982がレーベルでも屈指の孤高の地位にある、

http://musicircus.on.coocan.jp/ecm/e_hl/004.htm

次におすすめなのは、

Å  / Knut Herme and Steve Tibbetts (Hannibal Records) 1999


<track 408> After Bach / Brad Mehldau (Nonesuch) 2018

バッハとインプロヴィゼーションの融合だなんて言いなさんな、バッハはそもそも奏者の即興的瞬間を聴くものではないのか、

メルドーが銀座シックスで高級ブランドの衣装を着ているだけのような気がする、メルドー自身がリスナー以上におのれのピアニズムに飽き飽きしているように聴こえる、ジャレットのように厚顔無恥ではない分救われているかもしれない、『ハイウェイ・ライダー』の「ジョン・ボーイ」をもう一度聴いている気がする、

むしろ、「ジョン・ボーイ」の変奏曲だと捉えてしまいたい、

サイドメンとしてのメルドーの狂気に遊びたいのだが、それに相応しいバンドが想定できないでいる、そういう状態にあるのではないか、

スヴャトスラフ・リヒテルの平均律の録音場の響きを狙っている可能性を指摘している、アマゾンのレビュー、



<track 409> バッハ:平均律 / スヴャトスラフ・リヒテル

そのスヴャトスラフ・リヒテル、わはは、ピアノ好きを自称しているのにこの盤を聴いてなかった、

丸の内みみまんが本郷の純喫茶「麦」で遭遇した、おとんスヴャトスラフ・リヒテルの平均律を聴かせろと下命、

解説にアルフレート・シュニトケ(1934-1991)が寄せている、15歳の頃からコンサートに通っていたという、人気でチケット入手困難になる前から、

『天才の謎に満ちた本質を解明する鍵を見いだす試みはすべて徒労に終わる。天才の「法則」に到達することは決してできないだろうし、私たちと共に生きる偉大なる大家を再生することもできないだろう。偉大なる大家、その命の長からんことを。』 アルフレート・シュニトケ 1985


5月30日発売の雑誌に、益子博之との対談が掲載される、細田成嗣さんによる提案であったかと思う、

<track 410>
別冊ele-king カマシ・ワシントン/UKジャズの逆襲
http://www.ele-king.net/books/006280/

ガキどもは友だちに自慢すると息巻いている、50年後のファミリーヒストリーに「狼藉な父親であったが」との前置きに付加されるエピソードになるから、それはそれでありがたいことです、

ただわたしの感覚にはUKジャズもカマシもJディラもヒップホップも引っかかるものはなくて、「ぼくは、なぎらさんが Jazz The New Chapter という偉業に踏み出すときに益子さんの視野も含めてのジャンルの浸食なり発火を示すものだと思っていた」(テキスト化されなかった部分)、

おれたちには、学究的なジャンルの紹介や発見や広報といったプロフェッショナルな手つきはなくて、まず快楽の到来が先行してあって、それについて驚いたり戸惑ったり途方に暮れたり、スタンドバイミーな精神しかそこにはない、


バブルん時にマイクロバスを貸し切って、電波法違反ギリギリのFM電波を飛ばして、首都高をぐるぐる(当時は品川あたりでループできた)、マイクロバスには周波数をプリントして、音楽を気に入ってついてきたクルマには実況中継とピースサイン、

編集CDR to Hosoda16 20180422  ライナーノーツ
01. A Puncher’s Chance / Dan Weiss from 『Starebaby』 2018
これのどこがメタルなのか>自分、ティム・バーン・スネイクオイルに加入したいクレイグ・テイボーンという欲望の方向性をみてしまうが、

02 Time To Pretend / MGMT from 『Oracular Spectacular』 2008
このイントロからピコピコ音にはジョー・ミークの遺伝子を感じるんだぜ、歪んだ音像には風を感じ、高揚と手拍子には肯定する青春の青空がひろがる、

03 A Poem On The Underground Wall / Simon & Garfunkel from 『Massachusetts 1967』
もちろんサイモンとガーファンクル、の世界、拍手のあとのまどろみが次のオザケンにつながる、

04 アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先) / 小沢健二 2018
岡崎京子原作映画『リバースエッジ』はこけたの?、歌詞、曲、サウンド、それらの深み、波及する意味のひろがり、聴く者の生活の風景そのものを柔らかく照らすちから、
このように生きたいとか、希望を持ちたいとか、そのためには何かをするかとか、

05 Another Day Of Sun from 『La La Land: Original Motion Picture Soundtrack』 2016
丸の内みみまんから聴かせてもらう、ブルーレイを姉貴からもらう、このミュージカルの価値を力説する友人、だけどまだ映画を観ていないよお(泣)、マーティ・ペイチ楽団ごと牽引疾走するスコット・ラファロというジャズ史の珍事を継承するかのようなサウンド、

06 Veronica / Vianney from 『Idées Blanches』 2015
テン年代フレイバのフレンチポップ、男の子がヴェロニカちゃんへの恋心を叫ぶ、

07 Half Moon / Tokyo Zawinul Bach from 『Live In Tokyo』 2001
菊地成孔と坪口昌恭がまだメジャーになりかけの時期のファーストトラック、才気煥発の輝き、

08 Saturated Colour / Erik Hove Chamber Ensemble from 『Saturated Colour』 2014
ううー、たまらん、変拍子的にうねるアンサンブルの静かな狂気、すごく律されている緊張感が支配しているから余計に、たまらん、演奏する彼らに同期するわたくしの脳、

09 Love In Outer Space / Kris Davis Craig Taborn from 『Octopus』 2017
凶暴なピアニスト二人なのに、

10 Les Boreades from 『Aria – Original Soundtrack Recording』 1987
ラモー、映画『アリア』の一篇、この疾走感、地鳴りするティンパニの迫力はカミナリが鳴っているようだし、オペラでもっとも好きなトラックのひとつ、

11 ロマンティック 浮かれモード / 藤本美貴 2003
何度も選曲してすまそんー、つんくの最高傑作、ミキティの最高傑作、「ヘイ!」にグッとくる、

12 生きる。 / CRAZY KEN BAND from 『SOUL電波』 2007
くすっと笑ってしまうダンディズムの照れ、「だっこ」のまわりのキュートな速度、「ほいきた」、軽そうでじつは深くてでもやっぱりおバカな男女の聖なる真実、

多田雅範

Masanori Tada / 多田雅範 Niseko-Rossy Pi-Pikoe 1961年、北海道の炭鉱の町に生まれる。東京学芸大学数学科卒。元ECMファンクラブ会長。音楽誌『Out There』の編集に携わる。音楽サイトmusicircusを堀内宏公と主宰。音楽日記Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review。

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