原田正夫『Art Ensemble of Chicago / Urban Bushman』
『アート・アンサンブル・オブ・シカゴ/アーバン・ブッシュマン』
初めてのAECにして、ECMというレーベルを意識した最初の1枚。リリース年の1982年にトリオ盤で購入。衝撃の1枚でした。
キースの『Facing You』と『Köln Concert』のトリオ盤はすでに持っていましたが、レーベルを意識することは無く、このAECの2枚組ライヴ盤の内容とジャケットのデザイン、そして文字のタイプフェイスと組版にやられて、レーベルを強く意識するようになり、ECMを追いかけるきっかけとなった大事な1枚です。
朝日新聞のレコード新譜紹介の記事で本盤を推薦していたのが、悠雅彦さん。その文章を読んで聴いてみたくなり購入したのでした。
アンサンブルしたかと思うと、とっちらかったり、グルーヴの直後に急にバラバラになったり、その捉えどころの無さこそが魅力に思えて引き込まれていく自分がいました。フリージャズを知らなかった当時ですが、こんなカッコいい音楽があるのかと感動。
当時はまだロックばかり聴いていたわけですが、もうロックを聴いてる場合ではないと本気で思い、聴く音楽をジャズに舵切りするきっかけを作った重要な1枚でもあるのです。
ECM 1211/12
Art Ensemble of Chicago :
Roscoe Mitchell (Saxophones, Flute, Bongoes, Clarinet, Vocals)
Famoudou Don Moye (Sun Percussion, Vocals)
Lester Bowie (Trumpet, Drum, Horn, Vocals)
Joseph Jarman (Saxophones, Vocals, Clarinet, Bassoon, Flute)
Malachi Favors Maghostut (Bass, Percussion, Melodica, Vocals)
Recorded May 1980, Amerika Haus, München
Produced by Manfred Eicher
原田正夫 はらだまさお
1953年東京生まれ。製本会社、紙媒体の編集業務、情報処理会社を経て1989年に喫茶店「月光茶房」を原宿に開業、現在にいたる。2010年刊行『ECM Catalog』初版の執筆・制作に参加。