菅原光博『Keith Jarrett / The Köln Concert』
『キース・ジャレット/ケルン・コンサート』
自分のジャズ・カメラマンとしての最初の被写体は連載エッセイでも触れたように北海道から上京途中のコンサートで撮影したオスカー・ピーターソンだった。これもエッセイで取り上げたが、自分が住んでいた下北沢のジャズ喫茶にオフで立ち寄ったマル・ウォルドロンの撮影も印象深い。ジャズ・カメラマンとして何度もニューヨークに取材に出かけ、その後ニューヨークにしばらく住んだこともあり、さらにジャズを離れてレゲエ、ブルース、ソウル、ファンク、アフリカなどブラック・ミュージックを取材対象にすることになったが、心の平安や和みを欲しい時にいつも聴いていたのはキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』だった。オリジナルはLP盤だったが、CDになってひとつのパートが切れ目なしで聴けるようになったのは最高に嬉しかった。感情の流れが途切れることがなくなったからだ。
最近、身体が不自由になったキースが「うまく書けないけど」と言いながらもサインしてくれたチャーリー・ヘイデンとのデュオCD『ジャズミン』にも癒されている。
ECM 1064/65
Keith Jarrett (solo-piano)
1 Köln, January 24, 1975, Part I (Keith Jarrett) 26:02
2 Köln, January 24, 1975, Part II a (Keith Jarrett) 14:54
3 Köln, January 24, 1975, Part II b (Keith Jarrett) 18:13
4 Köln, January 24, 1975, Part II c (Keith Jarrett) 06:59
Recorded live at the opera in Köln, Germany, January 24th, 1975.
Produced by Manfred Eicher