#02 『Rent Romus / Deciduous : Midwestern Edition Vol. 1』
text by 剛田武 Takeshi Goda
音楽ストリーミングサービスSpotifyを利用しはじめた。特に海外の新譜や豊富なカタログ音源をすぐに聴くことのできる手軽さは重宝するし、何よりも正当な利用料を支払うことで、きちんとアーティストや制作者に還元できることに安心する。もちろん好きな音楽は形のあるレコードやCDが欲しいが、日本では入手の容易ではない海外の自主レーベルの作品を数多く聴ける歓びは何物にも代えがたい。それと同時に、関連アーティストや楽曲が表示されるサービスが素晴らしい。以前はYouTubeのおすすめ動画で出会ったような未知の音楽との出会いが、動画の数百倍の選択肢とクオリティで得られるとは文明開化のような出来事ではあるまいか。
そんなSpotifyのサービスで出会ったサンフランシスコのサックス奏者レント・ロムスが主宰する自主レーベル「エッジトーン・レコーズ」のキャッチフレーズは「My Music Is Weirder Than Yours!(僕の音楽は、君の音楽よりもっと奇妙だよ!)」というもの。ヘンタイ音楽愛好家にとってこれほど心躍るフレーズはない。聴けば聴くほどじわじわとヘンタイ性が滲み出るレント・ロムス自身の数々のユニットと共に、「Weirder」を標榜する西海岸の知られざるヘンタイ音楽家たちを掘り起こすのが筆者の2018年最大の楽しみなのである。
(剛田武 2017年12月19日記)