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My Pick 2022このパフォーマンス2022(海外編)My Pick...No. 297

#02 MMBトリオ:R.モツクーナス,A.ミカルケナス,H.ベレ・トリオ
MMB3:Liudas Mockūnas,Arnas Mikalkėnas & Håkon Berre Trio

text & photos by Kenny Inaoka 稲岡邦彌

4回目にして初めて念願のトリオ編成での来日を果たしたリトアニアのリード奏者リューダス・モツクーナス。同郷のピアニスト、アルナス・ミカルケナスとノルウェイ出身でコンセルバトワール以降コペンハーゲンに在住のドラム奏者ホーコン・ベルのトリオ。筆者はスケジュールをやりくりして半分の4回のギグを聴くことができた。3回は日本のゲストが入った。なってるハウスの神田綾子(voice)とルイス稲毛 (el-b)、ヴェルヴェトサンの纐纈雅代 (as)、ピットインの大友良英 (el-g)と仲野麻紀 (as, metal-cl)。横浜エアジンは「横浜国際なんでも音楽祭」出演でゲストなし。詳細は別項に譲るが、MMBトリオは非常にコントロールされたしかし豊穣で見通しの良いサウンドスケープを描き出した。しばし手を休めてバンドの展開を見極めて演奏に戻るピアノのアルナスの姿が印象的だった。ゲストについて言えば、ヴォイスの神田綾子はNYでの活躍を彷彿させる存在感を際立たせるユニークな唱法で臨み、共演経験のある纐纈雅代はパワーブレイで挑み、パリを拠点とする仲野麻紀はバンドの一員であるかのようにアンサンブルを重視。大友良英はいつになく全力疾走で汗をかいた。

稲岡邦彌

稲岡邦彌 Kenny Inaoka 兵庫県伊丹市生まれ。1967年早大政経卒。2004年創刊以来Jazz Tokyo編集長。音楽プロデューサーとして「Nadja 21」レーベル主宰。著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、編著に『増補改訂版 ECM catalog』(東京キララ社)『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)。2021年度「日本ジャズ音楽協会」会長賞受賞。

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