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No. 236R.I.P. ムハール・リチャード・エイブラムス

RIP Muhal Richard Abrams : profile

photo:courtesy of AACM

RIP Muhal Richard Abrams

 

ムーハル・リチャード・エイブラムス
1930.9.19-2017.10.29

作編曲家、エデュケイター、ピアニスト、チェリスト、クラリネット奏者。
シカゴに生まれ、前半生をシカゴで過ごしたが、1977年NYに移住し、1983年にはAACMのNY支部を設立、マンハッタンの自宅で亡くなった。享年87。音楽はほとんど独学。当初はブルースやR&B、ハードバップを演奏していたが、1962年にフリージャズを演奏するエクスペリメンタル・バンドを結成、1965年のAACM(創造的ミュージシャンの進歩のための協会)に発展する。AACMからは、AEC(アート・アンサンブル・オブ・シカゴ;ロスコー・ミッチェル、ジョセフ・ジャーマン、レスター・ボウイー、マラカイ・フェイヴァース、ドン・モイエ)を始め、ジャック・ディジョネット、AIR(ヘンリー・スレッギル、フレッド・ホプキンス、スティーヴ・マッコール)、リロイ・ジェンキンス、ジョージ・ルイス、チコ・フリーマンなどを輩出。
ソロ、デュオ、カルテット、セクステット、オーケストラで欧米を楽旅。
1990年デンマークのJazzpar Prize、2009年、2010年度NEAジャズ・マスター認定、2010年Vision Festivalから永年功労賞を受賞。
その高潔な人間性、統率力、指導力は「ムーハル」(総師)と呼ばれるにふさわしい。

わが国では、旧トリオレコードによる「シカゴAACMシリーズ」(Delmark原盤)や、悠雅彦氏のWHYNOT版『Afrisong』などを通じてそのユニークな音楽性が知られるようになった。日本語による論及は、清水俊彦氏の『ジャズ・アヴァンギャルド クロニクル 1967-1989』(青土社)所載の「ユートピアをめぐるもうひとつの立場」や蓮見令麻さんの当誌JazzTokyo掲載の『ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま 第10回 ムハル・リチャード・エイブラムス~内側の焦点に共鳴する音~』<前編>、『ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま 第11回 ムハル・リチャード・エイブラムス~内側の焦点に共鳴する音~』<後編>がある。

代表作は、『Levels and Degrees of Light』(1967,Delmark)、『Young at Heart/Wise in Time』(1969,Delmark)、『Afrisong』(1975,WHYNOT)、『Sightsong』(1976,BlackSaint)、『Streaming with George Lewis』(2005,Pi)他。

L:Muhal Richard Abrams/C:George Lewis/R:Wadada Leo Smith photo: 牧野はるみ

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