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R.I.P. ジョージ大塚No. 264

ジョージさんの大きなリズム 山口真文

ジョージ大塚さんのグループには1971年から3年間と78年から5年間位参加していました。いずれの時期も、バンドのレパートリーはメンバーのオリジナルが多く、私も数多くのオリジナルを演奏して頂きました。オリジナル曲に対するジョージさんの姿勢は一貫して、いかにスイングさせるかということでした。作った本人の思っていたムードではなかったり、テンポも全然違ったりとかありましたが、ジョージさんの解釈とドラミングで曲に命を吹き込まれ、作った自分が驚くほど奥行と広がりを持った曲に仕上げて頂きました。

ジョージさんはいつもスイングが最も大事とメンバーにも弟子達にもおっしゃってました。ジョージさんの音楽がよくスイングしていたのは衆目の一致するところですが、才能と経験と強い意志のもっと奥の方で美しい音楽に対する憧れがあったような気がします。

現在の日本のジャズシーンも活気づいてきて、優秀な若いプレイヤーもたくさん出てきましたが、あのジョージさんの大きなリズムを体験させてあげたかったとつくづく思います。


山口真文  やまぐち・まぶみ テナー/ソプラノ・サックス奏者
1946年佐賀県唐津市生まれ。慶応大学卒。トロンボーン、アルトサックスを経て、1971年,ジョージ大塚に抜擢されテナーに変更。1974年自己のカルテット結成。1978年「新宿ジャズ賞」受賞。1976年「コルゲンバンド」〜「The Players」でフュージョン・シーンの頂点に立つ。CDに『アフター・ザ・レイン』(Union)、ミロスラフ・ヴィトウス、トニー・ウィリアムスとのNY録音『Mabumi』(Trio)他。

 

 

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