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6/20 & 6/24 いくつもの自転するものたち
30 years after / without Masayuki Takayanagi

日本のフリージャズの歴史を綴った唯一の書、『日本フリージャズ史』(2002年 青土社刊)を著者の副島輝人は、後にニュージャズホールと名付けられる新宿ピットインの楽器庫での1969年の高柳昌行と吉沢元治、豊住芳三郎の激越な演奏の記述から書き起こす。日本のフリージャズの夜明けを告げる象徴的なできごととなったこの演奏のトリオの実質的なリーダー、高柳昌行について、副島は以下のように続ける。「当時ともすれば一般からデタラメ演奏と呼ばれ、専門の音楽評論家からさえ単純表現主義と片付けられていたフリージャズにも、明確な論理とコンセプトを持ったミュージシャンがいたということだ。とりわけ高柳の明晰な発想には敬意を評したい」。自己の音楽追求に対する厳しさを他者にも求めたため孤立していく軌跡はその成果とともに上掲書にくわしいが、その高柳昌行(1932年12月22日 – 1991年6月23日)が逝って30年。高柳と長年にわたり行動を共にしたドラム奏者の山崎比呂志 (1940~)と氏の写真を撮り続けた写真家の南達雄が企画の軸となったコンサートが予定されている。コーディネイターは当時、氏のアシスタントを務めていたギタリスト/ターンテーブル奏者/作曲家の大友良英(1959~)。

大友は今回のシリーズ企画に対し、以下のように述べている。氏が企画し、山崎比呂志も参加、アルバムにもなった1975年のコンサート「もう一つの自転するもの」のタイトルは、前人未到の音楽を生み出した高柳の孤高の決意表明から来たものであったと思います。今回のシリーズのタイトルを「いくつもの自転するものたち」としたのは、それに対して、生きているものたちそれぞれからの一様ではないアンサーになるようにとの思いからです。それは単に音楽の作り手だけではなく、聴き手をも含むタイトルであることも明記しておきます。

30 years after / without Masayuki Takayanagi
いくつもの自転するものたち Vol.1

6月20日(日)開演17:00
会場:埼玉 越生町 ギャラリィ&カフェ 山猫軒
https://yamaneko.info
予約 3000円 当日3500円

山崎比呂志(Dr & Perc)
今井和雄(G)
大友良英(G)
南達雄(写真)

30 years after / without Masayuki Takayanagi
いくつもの自転するものたち Vol.2

2021年6月24日(木) 開場18:30 開演19:00
会場:渋谷 公園通りクラシックス
http://koendoriclassics.com
予約 3000円 当日3500円

山崎比呂志(Dr & Perc)
加藤崇之(G)
大友良英(G)
南達雄(写真)

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