ECMから初荷。新作CD4タイトル リリースジャズ系3タイトル ニューシリーズ系1タイトル
クレイグ・テイボーン/トミーカ・リード/チェス・スミス
『Dream Archives/ドリーム・アーカイヴス』(ECM 2833)
Craig Taborn: piano, keyboard, electronics
Tomeka Reid: violoncello
Ches Smith: drums, vibraphone, percussion, electronics
ピアニスト/作曲家であり、2025年マッカーサー・フェローにも選ばれたクレイグ・テイボーンが、トミーカ・リード、チェス・スミスと結成したトリオのデビュー作。本作におけるトリオのアプローチはきわめて複雑であり、タイトルが示唆する通り、その音楽的射程は広大だ。歴史の中から引き出された無数のイディオムが再構成され、夢想に満ちた、これまでに聴いたことのない音世界が形づくられている。濃密に編み上げられたトリオの相互作用のなかから、躍動するグルーヴや力強く叙情的な語り口も立ち現れる。基盤を成すのは、いずれもテイボーンによる4曲の大作オリジナルである。
時にクレイグは自身の影響源を隠そうとしない。本作では、ポール・モチアンの<Mumbo Jumbo>と、ジェリ・アレンの<When Kabuya Dances>を取り上げ、彼にとって特に重要な二人の存在に、見事なかたちでオマージュを捧げている。チェロを手にするトミーカは、旋律の主導とピチカートによるベース的な土台という二役を巧みに行き来し、チェス・スミスの多彩なサウンド・パレット、そしてクレイグの鍵盤に対する包括的な掌握力と、緊張感を孕みつつ融合していく。
2024年にコネチカット州ニューヘイヴンで録音され、プロデューサーはマンフレート・アイヒャー。(1月16日リリース予定)
ビョルン・マイヤー
『Convergence/ コンヴァージェンス』(ECM 2844)
Björn Meyer: 6-string electric bass
スウェーデン生まれのベーシスト、ビョルン・マイヤーは、2作目のソロ・アルバム。2017年の『Provenance』で打ち立てた音楽的設計図をさらに発展させている。ベース・ギターの技術的ポテンシャルを最大限に活かし、際立った音色や粒立ったテクスチャーを生み出す一方で、音が立ち現れるアコースティックな空間への鋭敏な意識も失っていない。
ロンドン・ジャズ・ニュースは、彼の前作ソロ作品を評して、「旋律的な妙技や感情的な強度は、高音域の五線譜に住まう者だけのものではない。マイヤーのベースは歌っている」と述べた。本作においても、ベーシストとしての彼の大気的な探究は、聴き手の心に鮮明なイメージを喚起する。技術的な革新性は、より歌心に満ちたプログラムのなかで一層拡張されている。要するに本作は、単なる演奏技巧の記録を超え、それ自体で完結した音楽作品としての手応えを備えている。録音は、2024年9月ミュンヘンのスタジオで、プロデューサーはマンフレート・アイヒャー。(1月23日リリース予定)
ユリア・ヒュルスマン・オクテット
『While I Was Away』(ECM 2869)
Aline Frazão: vocals
Live Maria Roggen : vocals
Michael Schiefel: vocals
Héloïse Lefebvre: violin
Susanne Paul: violoncello
Julia Hülsmann: piano
Eva Kruse: double bass
Eva Klesse: drums
『Not Far From Here』(2019)、『The Next Door』(2022)、『Under The Surface』(2025)と高い評価を受けてきたカルテット作品群を経て、ドイツのピアニスト、ユリア・ヒュルスマンは物語の流れを変え、さらなる高みを目指す決断を下した。新たに結成されたのは、受賞歴を持つ器楽奏者とヴォーカリストから成るオクテットである。
ユリアのオクテットは、クラシックのトリオ編成(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)と、一般的なジャズ・ピアノ・トリオを組み合わせ、さらに3人のシンガーを迎え入れた編成。プログラムには、挑戦的なオリジナル曲に加え、アニ・ディフランコの1999年のヒット曲「Up Up…」の独自解釈、そして作曲家ゼリア・フォンセカによる軽やかなブラジル楽曲が含まれる。
音楽はしばしば、エミリー・ディキンソン、マーガレット・アトウッド、E.E.カミングスといった著名な詩人・作家の歌詞と結びつき、表現の幅を広げている。ブラジルのダンス、ミュージカル的な語り口、室内楽的ダイナミクス、さらには濃密で自由度の高い即興演奏の断片までが交錯し、精悍なアンサンブルによる鮮烈な音のパノラマが立ち上がる。(1月30日リリース予定)
ハインツ・ホリガー| マリー=リゼ・シュプーバッハ
『コン・ズランチョ con siancio』(ECM New Series 2807)
Heinz Holliger: Oboe, Stimme
Marie-Lise Schüpbach: Englischhorn
『Zwiegespräche』(ECM2665 2019年)に続く、「ハインツ・ホリガーとマリー=リゼ・シュプーバッハによる新作。エネルギーの触発的かつ刺激的な交錯に満ちた本作『con slancio』にも「その流麗さにおいてまさに驚嘆すべきものだ」という前作に対する英Grammophone誌のレヴューがそのまま当てはまる。本プログラムの冒頭を飾る表題作は、スイスの作曲家であり比類なきオーボエ奏者でもあるホリガーが、音楽的パートナーであるシュプーバッハに捧げた作品。彼は次のように語っている。「マリー=リゼとデュオで演奏するようになって以来、私たち二つの楽器が互いの音域や音色のパレットを拡張し合っていくあり方に、強く魅了されてきました。私にとって、新たな音の道が開かれたのです。」
本アルバムには、2018年から2020年にかけて書かれたホリガー自身の作品6曲の世界初録音が収められているほか、長年にわたり彼に捧げられてきた同世代の作曲家たちによる、強い対照をなす作品群も含まれている。最も初期のものは、ユルク・ヴィッテンバッハの《ソナタ》(1961年)と、ジャック・ヴィルトベルガーの《ロンドー》(1962年)であり、最新作は、いずれも2019年のホリガー80歳の誕生日を祝して書かれた、ジェルジ・クルターグによる箴言的な《con slancio, largamente》と、細川俊夫の喚起力に富んだ《結び(Musubi/Knots)》である。
本作はチューリヒのDRSスタジオで録音され、1986年に《Mehrklänge für Oboe solo》ほかの録音から始まった、ECMニュー・シリーズにおけるハインツ・ホリガー作品記録の系譜を、40年を経てさらに継続するものとなっている。『con slancio』のCDブックレットには、ミヒャエル・クンケルによるハインツ・ホリガーへの詳細なインタビューが、ドイツ語と英語の両言語で収録されている。録音は2020年チューリッヒのラヂオ・スタジオDRS。(2月6日リリース予定)
チェス・スミス, クレイグ・テイボーン, 細川俊夫, ハインツ・ホリガー, ビョルン・マイヤー, ユリア・ヒュルスマン, トミーカ・リード, マリー=リゼ・シュプーバッハ



