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藤倉 大 [Book] 初の自伝『どうしてこうなっちゃったか』1/26発売
[配信] 1/28-2/28 新国立劇場オペラ公演『アルマゲドンの夢』無料映像配信


<新国立劇場オペラ『アルマゲドンの夢』より>

Text by Hideo Kanno 神野秀雄

“これが世界に通用する、謙虚さと自由さと厚かましさだ!いま「世界でもっとも演奏機会が多い」と言われる天才「現代音楽作曲家」の自伝エッセイ。この天衣無縫、融通無碍、唯我独尊、縦横無尽を見よ! “(幻冬舎 宣伝文)

イギリス在住で、世界で演奏機会の多い現代音楽作曲家・藤倉 大の初の自伝エッセイ『どうしてこうなっちゃったか』が、幻冬舎より1月26日に発売された。約2年にわたり「小説幻冬」に連載された自伝エッセイに、新たな書き下ろしを加えた1冊。藤倉 大の人生と交錯する個性溢れる人物たちとの交流と相互作用も興味深い。何よりもページ数が多いのに面白くてどんどん読み進んでしまう。

「JAZZ TOKYO」では、東京芸術劇場で毎秋に開催される、藤倉 大プロデュースによる「ボンクリ・フェスティヴァル」について取り上げているのでご参照されたい。ちなみに藤倉の人生には「JAZZ TOKYO」的世界からもシカゴAACM(稲岡邦彌 編集長によるAACMの記事を参照)からECMゆかりの北欧ミュージシャンから細川俊夫から大友良英までどこでも繋がっているから(自伝では必ずしも触れていないが)今もこれからも油断できない。じゃなくて、これから生まれてくる新しい音を楽しみにしたい。なお、帯に「面白すぎです。藤倉 大」と寄せている作家 恩田 陸は映画化された小説『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)の原作者で、藤倉は映画『蜜蜂と遠雷』に劇中のコンクール課題曲「春と修羅」を提供し、河村尚子、藤田真央、福間洸太朗、金子三勇士が演奏している。

藤倉 大『どうしてこうなっちゃったか』
Dai Fujikura / Too Early for an Autography
幻冬舎 2022年1月26日発売
ISBN:9784344038783
詳細は幻冬社ウェブサイト (電子書籍)

【目次】
序章 最初から作曲家だった/第1章 何用あって、ドーヴァーへ!?/第2章 ビジネスはビジネス!/第3章 「指くるくる+5」の罰/第4章 「音楽と、(多分)セックス」の真相/第5章 邪魔な絶対音感、その生涯唯一の恩恵/第6章 Aレベルと、あっけない大学受験/第7章 大学入学と、師ダリルとの出会い/第8章 初日「君はもう来なくていい」と/第9章 ホット・トラックな日々……ダリルの白熱教室/第10章 20歳、国際作曲コンクール優勝のあとさき/第11章 ボーイ・ミーツ・ガール/第12章 善は急げの超スピード婚/第13章 卒業試験はオペラの上演で/第14章 奨学金はゼロいくつで?/第15章 瞑想? 迷走! 冴えない大学院時代/第16章 なにも知らずに邦楽器の曲を手がけた/第17章 どうせ演奏されない曲なんだから/第18章 2003年、僕の東京物語/第19章 一体あなたは誰なんでしょう?/第20章 憧れの人、理想の師、伝説の人/第21章 ブーレーズ魔法の言葉/第22章 寒すぎる10月と、僕の親密な彼女たち/第23章 「情熱大陸」の情熱と、山田和樹君とのシンクロニシティ/第24章 外出禁止令と仕事禁止令/第25章 2人のマイ・グレイト・ヒーローズ/第26章 宙ぶらりんと無収入はオペラより劇的!?/第27章 アルマゲドンの過ごし方/最終章  家 族 樹の小枝/あとがき

新国立劇場芸術監督の大野和士が作曲家・藤倉 大に委嘱し、演出家リディア・シュタイアー演出、大野和士自らの指揮で2020年11月に世界初演を行った『アルマゲドンの夢』。H.G.ウェルズのSF短編から着想し、若いカップルを軸としてポピュリズムの脅威を描いた。新国立劇場では「新国デジタルシアター」第2弾の配信作品として『アルマゲドンの夢』を2022年1月28日15:00〜2月28日14:00の1か月間、無料配信する。

新国立劇場2020/2021シーズンオペラ 新制作 創作委嘱作品・世界初演
オペラ『アルマゲドンの夢』/藤倉大
A Dream of Armageddon / Dai Fujikura
<英語上演/日本語及び英語字幕付>
全9場 予定上演時間:1時間40分(全1幕)
収録日:2020年11月18日
配信期間:2022年1月28日 15:00〜2月28日 14:00
字幕:日本語/英語
視聴ページはこちら

オペラ『アルマゲドンの夢』 作曲・藤倉 大よりメッセージ

スタッフ
【台本】ハリー・ロス(H.G.ウェルズの同名小説による)
【作曲】藤倉 大
【指揮】大野和士
【演出】リディア・シュタイアー
【美術】バルバラ・エーネス
【衣裳】ウルズラ・クドルナ
【照明】オラフ・フレーゼ
【映像】クリストファー・コンデク
【ドラマトゥルク】マウリス・レンハルト

CREATIVE TEAM
Libretto by: Harry ROSS
(after the short story “A Dream of Armageddon“
by H.G.WELLS)
Composed by: FUJIKURA Dai
Conductor: ONO Kazushi
Production: Lydia STEIER
Set Design: Barbara EHNES
Costume Design: Ursula KUDRNA
Lighting Design: Olaf FREESE
Video: Christopher KONDEK
Dramaturg: Maurice LENHARD

キャスト
【クーパー・ヒードン】ピーター・タンジッツ
【フォートナム・ロスコー/ジョンソン・イーヴシャム】セス・カリコ
【ベラ・ロッジア】ジェシカ・アゾーディ
【インスペクター】加納悦子
【歌手/冷笑者】望月哲也
【兵士(ボーイソプラノソロ)】長峯佑典
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

CAST
Cooper Hedon: Peter TANTSITS
Fortnum Roscoe/Johnson Evesham: Seth CARICO
Bella Loggia: Jessica ASZODI
The Inspector: KANOH Etsuko
The Singer/The Cynic: MOCHIZUKI Tetsuya

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra


藤倉大 プロフィール
大阪生まれ。15歳で単身渡英しベンジャミンらに師事。数々の作曲賞を受賞、国際的な委嘱を手掛ける。2015年にシャンゼリゼ劇場、ローザンヌ歌劇場、リール歌劇場の共同委嘱によるオペラ《ソラリス》を世界初演。2019年に尾高賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2020年にオペラ《アルマゲドンの夢》を新国立劇場で世界初演。数々の音楽誌においてその年のオペラ上演におけるベストに選出された。近年の活動は多岐に渡り、リモート演奏のための作品の発表や、テレビ番組の作曲依頼も多数。録音はソニー・ミュージックジャパンインターナショナルや自身が主宰するMinabel Recordsから、楽譜はリコルディ・ベルリンから出版されている。公式ウェブサイトはこちら

特別配信版 オペラトーク『アルマゲドンの夢』
出演:大野和士(指揮)、藤倉大(作曲)、リディア・シュタイアー(演出)

大野和士オペラ芸術監督よりメッセージ
台本 ハリー・ロスよりメッセージ
演出 リディア・シュタイアーよりメッセージ

恩田 陸 原作 映画『蜜蜂と遠雷』
藤倉 大「春と修羅」〜栄伝亜夜バージョンより 河村尚子(piano)

神野秀雄

神野秀雄 Hideo Kanno 福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。Facebookグループ「ECM Fan Group in Japan - Jazz, Classic & Beyond」を主催。ECMファンの情報交換に活用していただければ幸いだ。

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