JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 57,613 回

international(海外)News

リトアニア NoBusiness Records の4月新譜
サム・リヴァース・トリオを含む4タイトル

春と秋に新譜をリリースしているリトアニア唯一のジャズ・レーベル NoBusiness Records から春の新作4タイトルが届いた(コロナ禍の中、ヨーロッパからは航空便でも数ヶ月を要することがある)。

『Howard Riley | Keith Tippett  / JOURNAL FOUR 』NBCD 152
『Daunik Lazro | Jouk Minor | Thierry Madiot | David Chiésa | Louis-Michel Marion / SONORIS CAUSA』NBCD 153
『Rob Brown | Juan Pablo Carletti / FERTILE GARDEN』NBCD 154
『Sam Rivers Trio / Archive series. Volume 6 – CALDERA』NBCD 155

『Journal Four』は、イギリスを代表するふたりのピアニスト、ハワード・ライリー(1943年、英国ヨークシャー・ヨークシャー・ハダースフィールド生まれ)とキース・ティペット(1947年、英国ブリストルの生まれ、2020年病没)の最後となったデュオ演奏のライヴ録音。2016年、ロンドン・ソーホーのピッツァ・エクスプレスで開かれた「スタインウェイ・スピリオ・2ピアノ・フェステイバル」で、ティペット、ライリーのソロ1曲ずつとデュオ1曲の3曲で構成。ふたりは1981年に初めてデュオ演奏を公開、『First Encounter』としてアルバムをリリース、その後たびたび共演の機会を持っている。
『Sonoris Causa』は、二人の5弦のダブルベース奏者(David Chiésa とLouis-Michel Marion)と日本でも知られたドニク・ラズロのバリトンサックスを中心にJouk Minor のコントラバス・サルソフォン、Thierry Madiot のベース・トロンボーン他3人の低音管楽器奏者のクインテットによる2003年のフランスでのジャズ・フェスティバルのライブ録音。
『Fertile Garden』はアメリカのアルトサックス奏者ロブ・ブラウン (1967年ニュージャージー生まれ)とドラムスのファン・パブロ・カルレッティ、という二人の実力者による2020年、NYブルックリンのスタジオでの録音。コロナ禍でのデュオによるスタジオ録音で、美しいメロディの中にも緊張感が漂う。
アメリカのジャズ・サックスを代表するひとり、サム・リヴァース (1923-2011) の「アーカイヴ・シリーズ」第6弾『Caldera』は、ダグ・マシューズ (ベース他)とアンソニー・コール(ドラムス他)による長寿の「Orland Trio」による2002年、ニューオーリンズでのライヴ録音。サム・リヴァース 79歳での演奏だが、テナー、ソプラノサックスに加え、フルート、ピアノ、ヴォーカルと多彩な表情を見せ、マルチ・インストゥルメンタリストぶりを聞かせる他の二人の演奏と合わせてトリオとは思えない豊穣な音楽空間を現出させている。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください