11/3-5 児玉麻里&児玉 桃 ピアノ・デュオ・コンサート
Text by Hideo Kanno 神野秀雄
Cover photo by Carolien Sikkenk
児玉麻里&児玉 桃 ピアノ・デュオ
Mari Kodama & Momo Kodama – Piano Duo Concerts
2023年11月3日(金) 14:00 東京・小金井 宮地楽器ホール
2023年11月4日(土) 13:30 横浜・神奈川県立音楽堂
2023年11月5日(日) 15:00 愛知・岡崎市シビックセンター
ピアニストの児玉麻里と児玉 桃が来日し、姉妹でのピアノデュオ・コンサートツアーを行う。2人ともパリ国立高等音楽院に学び、それぞれ世界を舞台にに活躍中だが、子供の頃から家庭で連弾を楽しんでいて、その延長上にある親密で特別な音楽を聴くことができる。姉妹での録音としては、『Tchaikovsky : Ballet Suites for Piano Duo / Mari Kodama & Momo Kodama』(Pentatone / King International, 2016)が最初で、続いて、『Martinu – Double Concertos』(Oentatone, 2018)に<Concerto for Two Pianos and Orchestra H292>を収録している。なお、最近では、ケント・ナガノ指揮で、児玉麻里、児玉桃に、児玉麻里とケント・ナガノの娘カリン・ケイ・ナガノの3台のピアノとオーケストラによるコンサートの機会もあった。今回の姉妹のコンサートでは、チャイコフスキーのバレエ音楽と、ストラヴィンスキー「春の祭典」がメインとなる。小金井では、ヤマハCFXを2台持ち込み、前記に加えてラヴェルの「Ma Mère l’Oye」も演奏する。確実なテクニックと表現力に裏打ちされた演奏で、繊細さと大胆さと楽しさと可愛らしさを併せ持った音楽を楽しみたい。
児玉桃のECM録音については、『児玉 桃 / 点と線 〜ドビュッシー&細川俊夫:練習曲集』Momo Kodama / Point and Line – The Piano Études of Claude Debussy and Toshio Hosokawa (ECM2509)、『児玉 桃/鐘の谷~ラヴェル、武満、メシアン:ピアノ作品集』La vallée des cloches (ECM2343) 、『モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番・細川俊夫「月夜の蓮」/児玉桃 ・小澤征爾&水戸室内管弦楽団』(ECM2624)があり、それぞれのリンクからJazz Tokyoの記事を参照されたい。
【演奏曲目】
11月3日(金) 東京・小金井 宮地楽器ホール
ラヴェル:マ・メール・ロワ
チャイコフスキー(アレンスキー編):バレエ音楽「くるみ割り人形」より
ストラヴィンスキー:春の祭典
11月4日(土) 横浜・神奈川県立音楽堂
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):「眠りの森の美女」組曲より
チャイコフスキー(ランゲリ編):「白鳥の湖」より
チャイコフスキー(ドビュッシー編):「白鳥の湖」より
ストラヴィンスキー:春の祭典(2台ピアノ版)
11月5日(日) 愛知・岡崎市シビックセンター
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):「眠りの森の美女」組曲 Op.66より
チャイコフスキー(ランゲリ編):「白鳥の湖」Op.20より
チャイコフスキー(ドビュッシー編):「白鳥の湖」Op.20より
ドビュッシー:白と黒で
チャイコフスキー(アレンスキー編):「くるみ割り人形」Op.71より
【岡崎市シビックセンター公演へのメッセージ】
ピアノは、私たちにとって、色々な世界に連れて行ってくれる魔法のような楽器です。私たちのイメージの中にはいつも過去、未来、そして色々な音色、弦楽器、木管楽器、歌、弦楽四重奏、さらにはオーケストラの音が響いています。
10本の指をフルに使って色々な表現や音色を作り上げますが、20本の指で音の次元の世界を作成すると、可能性は2倍だけでなく4倍にもなります。2台のピアノではフルオーケストラのような表現が可能ですが、一方で演奏者が2人だけという柔軟性があります。それはお互いが同じ波長を持っていることが前提で、大切なことです。
私たちは姉妹として、幼い頃からいつも家で楽しみながら2台のピアノで演奏してきましたが、ある日、1989年頃、パリで公の場で演奏する機会に恵まれました。以来、2人個別に演奏活動をしておりますが、私たちにとってデュオ・コンサートはとても特別な楽しみとなりました。
家族として、私たちは曲の解釈について、率直過ぎるほど意見を言い合い、打ち合わせを重ね、気分を損ねたりしながらも、いつも最後は笑顔で、音楽の共有の喜びを噛み締めながらコンサートに臨みます。
皆様とこの経験を分かち合わせていただけるのを楽しみにしております。
児玉麻里 & 児玉桃
『児玉桃/点と線~ドビュッシー&細川俊夫:練習曲集』インタビュー・ビデオ(日本語字幕付)
Live From The Factory Floor: L. v. Beethoven, Klaviersonate Nr20 G-dur op49, 1. Satz, by Mari Kodama
【Jazz Tokyo 参考記事】
特集『ECM: 私の1枚』
副島 綾『Momo Kodama / Point and Line – The Piano Études of Debussy & Hosokawa』『児玉 桃 / 点と線 〜ドビュッシー&細川俊夫:練習曲集』