#1460『Valentin Silvestrov : Hieroglyphen der Nacht / Anja Lechner, Agnès Vesterman』
text by Masanori Tada 多田雅範
ECMレーベルの新作を聴くシリーズ2017秋 #7
ECM 2389NS
Anja Lechner Violoncello, Tamtam
Agnès Vesterman Violoncello
VALENTIN SILVESTROV – DREI STÜCKE
1 Hieroglyphen der Nacht 00:09 – 01:55
2 Nachhall eines Walzers 02:38
3 Nachhall einer Sarabande 03:49
VALENTIN SILVESTROV – ELEGIE
4 I 02:01
5 II 03:11
6 III 11:10
VALENTIN SILVESTROV – 8.VI.1810 … ZUM GEBURTSTAG R.A.SCHUMANN
7 Elegie 03:53
8 Serenade 01:51
9 Menuett 02:26
VALENTIN SILVESTROV –
10 Augenblicke der Stille und Traurigkeit 07:56
VALENTIN SILVESTROV – SERENADEN
11 Abendserenade 03:11
12 Abendserenade 02:29
VALENTIN SILVESTROV –
13 Lacrimosa 03:42
VALENTIN SILVESTROV – 25.X.1893 … ZUM ANDENKEN AN P.I.TSCHAIKOWSKIJ
14 Präludium „Geburt der Melodie“ 02:50
15 Wiegenlied 04:38
16 Serenade 03:46
VALENTIN SILVESTROV –
17 Walzer der Alpenglöckchen
Recorded December 2013 Aiditorio Stelio Molo RSI, Lugano
Tonmeister: Peter laenger
Produced by Manfred Eicher
『ヴァレンティン・シルヴェストロフ/夜のヒエログリフ』
”ここ20年、アイヒャーが最も入れ込んだ作曲家” musicircus
ECMレーベルの新作を聴くシリーズ2017秋、第七打席、ヴァレンティン・シルヴェストロフの80歳記念リリースは長年活動をともにしてきたチェリスト2名による作品集、こんなに静謐でメランコリックでいいのか、世界中で未知の領域へ厳しく邁進している現代音楽作曲家たちに申し訳ないとは思わないのか、と、思わないこともない、あっけに取られるような平易さと浮かび上がる音楽の骨格の芯の太さが共存した作品、
と、アクロバティックな記述しか許されないだろうに、ともあれ、
2007年リリースの『Silvestrov: Bagatellen Und Serenaden』 (ECM New Series 1988)
この、即座に涙腺崩壊するシルヴェストロフ自身のピアノソロの冒頭は、ECMファンにだけ許された美しさだ、録音されることを前提としていないシルヴェストロフの演奏にアイヒャーが打たれて、ということだから、なのであまり聴かれてほしくない、未来の恋人とのひとときのために秘蔵しておきたい、おれは、だからみんな聴くなよ、どうせろくなことしか言わないだろうからよ、(冒頭のこのトラックをYouTubeで探しても無駄だぜ)、
そのシルヴェストロフが来日公演をするんだ、ありえねーよ、こんな奇跡のような出来事ってあっていいのかよ、みんな行くなよ、
日時:2017年11月9日(木) 午後7時開演
会場:武蔵野市民文化会館 小ホール
公演チラシを2枚、この過剰な形容にわたしは大いに納得している、
公演の詳細は;
*http://www.mcsya.org/event/2017081915490536.html
ヴァレンティン・シルヴェストロフ、夜のヒエログリフ