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No. 215及川公生の聴きどころチェックR.I.P. ポール・ブレイ

#192 『ポール・ブレイ/プレイ・ブルー ~ オスロ・コンサート』

ECM 2373

Paul Bley (piano)

1.Far North
2.Way Down South Suite
3.Flame
4.Longer
5.Pent-Up House*
*Sonny Rollins

Recorded live @Kurturkirken Jacob, Oslo Jazz Festival,
August 2008
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Mixed by Jan Erik Kongshaug and Manfred Eicher @
Rainbow Studio, Oslo, October 2013
Produced by Manfred Eicher

ブレイの特徴的奏法とエンジニアの超絶技法が相乗効果を生んだ高音質ピアノ録音

力強いアタックの鋭さを超絶技法で捉えた高音質ピアノ録音。
オンマイク手法に重きを置いたマイキングは想像付くが、エネルギーに飽和がない。ライブ空間の拡散がもたらす効果まで計算づくの録音と推察。
高音質と割り切れば、全く異論はないが、高音質に、ヤン・エリック・コングスハウクが閃いた音への挑戦は、ピアノの音響的な仕組みが発する装飾音に明確に反応している。
ピアノは不思議な共鳴音を放ち、それをマイキングで捉えたいと筆者も思い立つことがある。ここに、それが聞いてとれる要因に、演奏家の特徴的奏法が強く関わると判断する。この音の表情はポール・ブレイだから、が大きいと言えよう。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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