JazzTokyo

Jazz and Far Beyond

閲覧回数 32,552 回

No. 215及川公生の聴きどころチェック

#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ~ハンマースホイの印象』

Cloud DDCJ-4018 \2,500(税抜)

ニコライ・ヘス(P)
アンダース・クリステンセン(b)
ミケル・ヘス(ds)
マリリン・マズール(ds, perc)

1. Lay Lady Lay (Bob Dylan)
2. Orken
3. I Hear a Rhapsody (Fragos)
4. African Flower (Dule Ellington)
5. Meadow
6. Marsh
7. Clouds
8. Griegs Birds
9. Swing
10. Throughout (Bill Frisell)
11. Smile (Charlie Chaplin)
Composed by Nikolaj Hess unless otherwise noted

Recorded at Mill Factory Copenhagen, 27&28 Dec. 2015
Recording engineer:Boe Larsen
Mixed & mastered by Jan Erik Kongshaug at Rainbow Studio, Oslo, Norway, 3,4&5, Dec. 2015
Produced by Nikolaj Hess & Yoko Yoneyama

音像空間に楽器の配置が幻想的に浮かぶミックス・バランスの妙

Jan Eric Kongshaug がミックス、マスタリングに関わったとあっては黙っていられない。
飛び出したピアノの澄んだ音は誰にも真似の出来ない、あのサウンドだ。芯は太くて繊細さが鋭く突き刺さる感触は感服。ECMと異なる膨張感が新しい発見。
パーカッションの扱い方が素晴らしい。マリリン・マズールの軽快なパーカッションが、距離感を保って表現されているのに新鮮さを感じる。彼女の録音に接した筆者も、この表現は参考になる。
ドラムをこれとの対比で、かなりしっかりした音像で引き締める技は脱帽だ。
ゆったりと聞かせるベースは、全体を安定させ音像を幅広く表現し、オーディオ的にも安定感がある。
ミックス・バランスに細心の配慮が窺え、音像空間に楽器の配置が幻想的に浮かぶ。

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください