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R.I.P. デイヴィッド・サンボーンジャズを撮る!菅原光博No. 314

菅原光博ジャズを撮る #29 デイヴィッド・サンボーン

photos by Mitsuhiro Sugawara 菅原光博
text by Kenny Inaoka 稲岡邦彌

1981年12月31日、NYのクラブ「7th Avenue South」にて撮影。このクラブはブレッカー・ブラザーズが経営していて “ジャズの聖地” ヴィレッジ・ヴァンガードに近く、NYフュージョン・シーンのメッカだった。日本で言えば、六本木ピットイン(1977~2004、愛称:六ピ)。旧トリオ・レコード(現JVCケンウッド)内に渡辺香津美のパーソナル・レーベルDOMOを創設し、スタートは2枚組アルバム『MOBO』(1984)。海外進出を目指していたので、NYのGramavisionと契約、7th Avenue Southでプレスを集めてショーケースをやった。今やジャズ・ギタリストの頂点に立つジョン・スコフィールドがアメリカ・デビューを果たしのも同じく1984年、Gramavisionから。もっとも日本では1978年にトリオレコードから『John Scofield』でデビューしている。
六本木ピットインではギタリストのスティーヴ・カーン率いるカルテット「Eyewitness」が3日間出演、ラインのつながっている最上階の六本木ソニー・スタジオ(六ソと呼ばれていた)でテレコを回してライヴ録音した(『Modern Times』1982) 。菊地雅章のファンクバンドAAOBB(オールナイト・オールライト・オフホワイト・ブギバンド)も1週間出演 (1988)、来日中のジャコ・パストリアスがシットインなんてのも珍しくなかった。六Pからは、Stepsの『Smokin’ in the Pit』(Better Days 1981)という名盤が生まれている。トリオレコード制作の吉田日出子のヒット作『上海バンスキング』(Show Boat 1981) も六Pでライヴ収録。女優沖山秀子の唯一のジャズ・アルバム『Summertime』(Trio) のお披露目も六Pだった (1981)。
ところで、デイヴィッド・サンボーンだが、僕がゲストに起用したのは一度だけ。1983年NY制作の今田勝のフュージョン・アルバム『A Day in the Paradise』(Full House/TRIO))。アルトのサンボーンにフリューゲルホーンにランディ・ブレッカー、ギター渡辺香津美、リズム隊がウィル・リー(elb)、スティーヴ・ガッド(ds)、ギレルミ・フランコ(perc)とアンソニー・マクドナルド(perc)。サンボーンは演奏は熱いが、物静かでダンディな男だった。

菅原光博

1949年、北海道上川郡愛別町生まれ。ワークショツプ写真学校細江英公教室OB。1973年1月よりジャズを中心に、レゲエ、ブルース、ソウル系コンサートを内外で取材開始、雑誌、ジャケット、ポスター等をメデイアとする。著作に、『田川律+菅原光博/ジャマイカの風と光』(1984 音楽の友社刊)、『菅原光博+藤田正/ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』(2014 Pヴァイン)。 https://mitsuhiro-sugawara.wixsite.com/photographer

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