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及川公生の聴きどころチェック~No. 201

#198 『山下洋輔スペシャル・ビッグバンド/ボレロ|展覧会の絵』

Jamrice JACD-1401
¥2700(税込)

山下洋輔スペシャル・ビッグバンド
山下洋輔(p)
松本 治(conductor)
金子 健(b)
高橋信之介(ds)
エリック宮城|佐々木史郎|木幡光邦|高瀬龍一(tp)
中川英二郎|片岡雄三(tb)|山城純子(b-tb)
澤田一範(as,ss)| 米田裕也(as,ss,cl)
川島哲郎(ts,fl)|竹野昌邦(ts,fl,piccolo)
小池 修(bs)
guest:
茂木大輔(oboe)

展覧会の絵(作曲:ムソルグスキー|編曲:松本治)
1.遊歩道を歩いて展覧会を見に行こう!
2.『地底で蠢く怪しい小人...これって近所の悪ガキじゃん!』
3.次の絵を見てみよう!
4.『古城...森と泉に囲まれた古いお城でスウィング!』
5.次の絵は...?
6.『パリのチュイルリー公園...子供と遊ぶ若い女性は、母親?』
7.『家畜が重い荷車を引かされる...牝牛は夜に呻く』
8.次は...?
9.『卵の殻をかぶったヒヨコのコスプレメイドの踊り』
10.『大金持ちと貧乏人...特区成金と契約社員』
11.『リモージュ街の市場の賑わい...ラッパ吹きも乱入』
12.『ローマ帝国時代の地下墓...エロス+タナトス=ジャズ』
13.『死者への呼びかけ...ジャズ供養』
14.『妖怪バーバヤーガの小屋...ジャズは闘う!』
15.『キエフの大門ドバラダ大門...これでいいのだ!』
16.BO-LE-RO
作曲:ラヴェル 編曲:松本治

録音:2012年7月6日 東京・サントリーホールにてライヴ収録
録音・ミックス・マスタリング:新居章夫
音楽監督:松本治
エグゼクティヴ・プロデューサー:村松広明

ライヴ録音でここまでシャープに音像を展開できた驚異の録音

ビッグバンドをオンマイクで捉えたメリハリ。ライヴ録音でここまでシャープに音像を展開できた驚異の録音。つまり、遠近感の表現より楽器群を個々に鮮明に捉えた構成だ。ピアノが大きく音像を優先する。演奏者の個性的な奏法が強烈に浮き上がるミックスはリアルであり、強烈なサウンドが飛び出す音圧に圧倒される。
ミックスの段階で、相当に細かいテクニックを使ってのバランスは見事。ライヴのかぶりを最小限に抑え、単一楽器が浮かび、音楽の構成に効果的表現を与えている。

 

及川公生

及川公生 Kimio Oikawa 1936年福岡県生まれ。FM東海(現 東京FM)技術部を経て独立。大阪万国博・鉄鋼館の音響技術や世界歌謡祭、ねむ・ジャズ・イン等のSRを担当。1976年以降ジャズ録音に専念し現在に至る。2003年度日本音響家協会賞受賞。東京芸術大学、洗足学園音楽大学非常勤講師を経て、現在、音響芸術専門学校非常勤講師。AES会員。

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