7/29 トランペッター トマシュ・スタンコ逝く
ポーランド出身のトランペット奏者トマシュ(トーマス)・スタンコが7月29日早朝ワルシャワの病院で死去した。享年76。年初に肺癌と診断され入院加療中だった。
スタンコは60年代ロマン・ポランスキーの映画のサウンドトラックを担当したクシシュトフ・コメダ・グループでの演奏を通じて頭角を現し、以後、チェット・ベイカーやマイルス・デイヴィスを彷彿させるバラードからセシル•テイラーやグローブ・ユニティでのアグレッシヴな演奏まで幅広い奏法を獲得、ヨーロッパを代表するトランペッターと目されるに至った。近年はマンハッタンに居を構えニューヨーク・カルテットを組んでNYでも積極的に活動を展開していた。
スタンコ独特のサウンドについて本人は“スラヴの憂愁とアメリカのブルースが合体したもの”と表現している。
1976年のデビュー以来創作活動の拠点としていたECMでは、公式サイトのトップにマンフレート・アイヒャー自選の録音を流し最大限の追悼の意を表している。
https://www.ecmrecords.com/home
*photo: courtecy of ECM Records