追悼 アーサー・ブライス スタンリー・カウエル
追悼 アーサー・ブライス
アーサー・ブライスが亡くなってからいろいろな思い出が走馬灯のように頭を駆け巡っている。
最初に会ったのは1963年か64年頃にロザンゼルスで。リンダ・ブリスコーの家でしょっちゅう一緒にジャムっていた。そのあとは僕の家でLAの前向きな志向のミュージシャンが集まってね。
僕は彼の流麗でソウルフルなサウンドが好きだった。そして時に聞かせるあの泣き節がね。
70年後期から80年代初期にNYで再会を楽しんだ。NYCでは、チューバのボブ・スチュアートとドラムスのボビー・バトルが入ったスモール・アンサンブルで何度か演奏した。楽しい思い出だ。
それから、あの『In the Tradition』(1979 Columbia) というパワフルなレコーディングに参加できたことも嬉しかった。
アーサーは、素晴らしい人間として、またユニークな音楽アーチストとしてしっかり刻印を残している。
スタンリー・カウエル Stanley Cowell
1940.5.5 オハイオ州トレドの生まれ。ピアニスト。1971年チャールス・トリヴァー(tp)とミュージシャンによる自主運営レーベル Strata-Eastを設立、1973年、コ・リーダー・カルテット Music Inc. を率いて来日。マックス・ローチ、スタン・ゲッツ、ボビー・ハッチャーソン、ヒース・ブラザースなど多くのバンドで活躍。ECMに『幻想組曲』を残す。現在、ラトガース大学他で教鞭を執る。