Jazz and Far Beyond
玉石混淆の1年間を振り返る楽しさがある一方で、毎年思うことだが何か肝心なものを聴き(見そこなった)想いが消えない。
1990年年に来日したジェイ・マクシャン・トリオの日本公演が素晴らしいマスタリングで蘇ったアルバム。
前作には参加していたタイション・ソーリー、ハスミレマ、も、含めて、この三人はニューヨークで21世紀のジャズ史の扉を開いた菊地雅章の音楽的後継者、チルドレンである
サーマンとスキッドモアが、熱いバトルを繰り広げるトレーンの〈インプレッションズ〉一曲だけでも、買う価値大!
マタナ・ロバーツによる「Coin Coin」シリーズの第4作。これまでよりもさらに語りの力を強めた印象深い作品である。記憶は語りなおされ、言葉と音楽とがその都度新たな意味を持って浮上する。
重厚なサウンドに驚愕。録音技術からの視点で、このサウンドを解釈すると、今までに聴いたことがない録音手法。
いずれにしろこのアフリカン・クイーン、アンジェリク・キジョの力量が、十二分に発現された注目の作品だと思います。
2019年もジェイミー・ブランチの快進撃は止まらなかった。2017年に鮮烈な印象を残した初リーダー作『FLY or DIE』の続編。
チリ出身のカミラ・メサが、弦楽四重奏を加えた8人編成の新ユニット「ザ・ネクター・ジャズ・オーケストラ」を結成、『アンバー』を発表し、2019年9月にはブルーノート東京公演を行った。
ベテラン・トリオが聴衆と即興の醍醐味を共有する巧みさを発揮した秀作。
このグループの凄さをあらためて魅せ付けさせられた1枚であった。
ただの未発表アルバム発掘リリースではなく、お蔵入りプロジェクトをマイルスの遺志を継いで完成させたこのアルバム作品、筆者はもっともっとメディアで騒がれるべきだと強く感じた。最初にEPとして5つも違うバージョンを作って公開したことも音楽的にはかなり成功していると信じる。
マーシャル・アレン師を中心に6人の猛者がデタラメを極めた本作は、混迷する世界の癒しの儀式のサウンドトラックなのである。