Jazz and Far Beyond
それがサンボーンのミュージシャン魂に火を付けたのか、ティム・バーンよりもさらにとんがったソロで圧倒された。
大抵ギターソロを引き合いに出して使われる言葉だが、「泣きのアルトサックス・ソロ」の称号を勝ち取ったのがデイヴィット・サンボーンである。
ミュージシャンと同じくらい人間的にも素晴らしい人だった。
デイヴの最も偉大な音楽的才能のひとつは、どんなコード・チェンジにもブルースを聴き取ることができ、どんなに複雑なソノリティの中にもブルースを見出すことができるということだった。
サンボーンは演奏は熱いが、物静かでダンディな男だった。
あのサンボーンが他界してしまった。一つの時代が幕を閉じた。どんなジャンルの音楽にも対応できるファースト・コールだった彼は、実は真のブルース・アーティストだった。数多くない彼のオリジナル曲からお気に入りの1曲を選んで、彼がいかに他のアーティストたちと違う次元にいたのかの説明を試みた。