菅原光博 ジャズを撮る! #26「Days of ECM」
Photo and text by Mitsuhiro Sugawara 菅原光博
今月号は「ECM特集」ということでアーカイヴのなかからECMアーティストを選び出してみた。1979年に開催された「ECMスーパー・ギター・セッション’79」。ブラジルからパーカッションのナナ・ヴァスコンセロスを伴ったエグベルト・ジスモンチ、ニューヨークからジャジーなカルテットで参加のジョン・アバークロンビー、ミズーリから参加のパット・メセニー・グループはこの時が初来日。今、考えるとなんとも豪華な顔ぶれだが、ECMの多彩さがまだ浸透しきれていなかった1979年のコンサートはすべての客席が埋まってはいなかった。
チック・コリアは、ECM系のグループでの来日ではなかったが、ARC やソロ、リターン・トゥ・フォーエヴァーで初期ECMの顔のひとりでもあり、その後も何度か重要なアルバムを発表した。
2018年2度の発作にたおれ、現在リハビリに励むキース・ジャレットだが、ソロで何度か撮影の機会があった。やはり記憶に残っているのは1978年の武道館コンサートと2年前の1976年、後に『サンベア・コンサート』に収録されたNHKホールでのコンサート。どちらの会場も、ジャズ・ピアニストのソロとしては初の登場であった。
「ECMスーパー・ギター・セッション ’79」@東京・中野サンプラザホール