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特集『ECM: 私の1枚』

RINA『Chick Corea, Gary Burton / In Concert, Zürich, October 28, 1979』
『チック・コリア, ゲイリー・バートン/イン・コンサート 1979年10月28日 チューリッヒ』

初めてこのアルバムを聴いたとき、透明感溢れるサウンド、そしてあたたかさや癒しを感じるこのデュオのサウンドにノックアウトされました。まるで音が様々な色に変化し、人生を投影してくれているようなメロディーと響きが私の心にすっと入ってきたことを覚えています。

国立音楽大学に入学し、ジャズを学び始めた当時、誰かと演奏する時にコンピングの仕方に悩む時期がありました。”相手の音をとにかく聴く”。 言葉では理解していてもそれが 「どのように?」「どう応えるの?」 と疑問を抱いていた私にヒントをくれるアルバムでもありました。

Chick CoreaさんとGary Burtonさんの音楽の対話を聴いて、邪魔をすることなくそっと寄り添う、時にはお互いが次にいく景色が見えているかのような音にハッとさせられました。喜び、怒り、恐怖、悲しみ、全ての感情がこのアルバムで感じられ、減衰音までもが感動を与えるこのアルバムが私の一枚です。ライブならではの臨場感や興奮も味わえるところも魅力だと思います!

聴いたことがない方がいらっしゃったら、是非聴いていただきたいと心からお勧め出来るアルバムです。


ECM 1182/83

Chick Corea (Piano)
Gary Burton (Vibraharp)

1 Señor Mouse (Chick Corea) 09:51
2 Bud Powell (Chick Corea) 08:30
3 Crystal Silence (Chick Corea) 11:52
4 Tweak (Chick Corea) 05:58
5 Falling Grace (Steve Swallow) 05:04
6 Mirror, Mirror (Chick Corea) 05:26
7 Song To Gayle (Chick Corea) 06:57
8 Endless Trouble, Endless Pleasure (Steve Swallow) 04:48

Recorded October 1979, Limmathaus, Zürich
Engineer: Martin Wieland
Produced by Manfred Eicher


RINA りな
ピアニスト、作編曲家。国立音楽大学ジャズ専修1期生として入学し、ジャズピアノを小曽根真に師事。2018年バークリー音楽大学を卒業。エリス・マルサリス国際ジャズ・ピアノ・コンペティション2018にて第2位受賞、並びに最優秀作曲賞を受賞するなど大躍進を遂げ、本場ニューヨークなどで活躍が高く評価されている。2020年に全曲オリジナル作品を収録したアルバム『RINA』で全世界デビューを果たし、アルバムは第13回CDショップ大賞2021「ジャズ賞」を獲得した。2021年 ファーストアルバム『RINA』で第13回CDショップ大賞2021でジャズ賞を受賞した。2022年6月米ロチェスターインターナショナルジャズフェスティバルへ招聘され、ソロ演奏で観客を魅了、スタンディングオベーションで拍手が鳴り止まないステージとなった。2022年11月RINA Trioとして丸の内Cotton Clubへ初出場した。ソロピアノ、デュオ、トリオ、ビッグバンドなど幅広いスタイルで演奏活動を全国で繰り広げる。 RINA Official Website

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