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特集『私のジャズ事始』

『TOHO SWINGERS 』 うめもと實

そう、あれは私が桐朋音大の学生の時。打楽器科の岸辺一成さんの声がけで『TOHO SWINGERS 』というビッグバンドが作られた。もとより桐朋はクラシック音楽を勉強する学校なので、集められたメンバーも余りジャズの知識も経験もない連中ばかりだった。しかし、学園祭のステージで派手にデビューすると言うので夏の野尻湖合宿までやってしまった。桐朋にはサックス科がない。いきおい他の楽器吹きが演奏することになる。オーボエの本間さん、クラの横井さん達だ。トロンボーンにはN響に入ったザイツや今やビッグバンドを率いている角田健一らがいた。そうだ、ピアノには羽健がいたな。みんなクラシックが本職の連中ばかりだ。どこまでスイングできるか分からないままにとにかくスタートした。曲はマーシーマーシーやウエストサイドなど誰でも出来そうなモノばかりだ。もちろん編曲などは得意な連中ばかりだ。吹きにくいところはすぐに音を変えていた。でも、それが異常に新鮮で楽しかった’70年代のことだ。

その後、私は新日フィルやN響などで演奏しドイツへ行ってしまった。
帰国後に横浜エアジンを経営していた義兄の交通事故死で私が唐突にエアジンを引き継ぐことになった。ま、その経緯はいずれ別稿で。
横浜エアジン店主・うめもと 實 (minol)
2024.24th june


うめもと 實  (Umemoto Minol)
1948年神奈川県藤沢生まれ。
逗子開成学園を経て桐朋音楽大学(トランペット専攻)へ。在学中に新日本フィルに入団し小澤征爾さんの指揮でカーネギーや国連などでの演奏旅行もする。その後、’74年ドイツ・ケルン音大へ留学。そのままドイツにてジョン・ケージ、シュトックハウゼンなどと現代音楽の演奏活動。また、ケルン歌劇場、教会、ソリストとしても活動。‘80年帰国後は横浜エアジンの2代目店主となり、本牧ジャズ祭や横浜ジャズプロムナード、NYジャズ祭のプロデュースなども手がけ、現在はエアジンにて通常のライブ以外に「なんでも音楽祭<><>」「J.S.バッハ祭り<><>」などのプロデュースもしている。

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